過 保 護 の パパ ２【まふまふ】

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家に帰るとパパはソファーに倒れ込んだ




私もなんと言っていいのか分からなくて、でも無視するのも変だったから
無駄にそばで立ちんぼになってしまった





｢なんか言われた……？そらるさんに｣





ポツリとパパが喋って、慌てて私も考える



特に何か言われたかなっと思い返すけれど、一ノ瀬さんはよく分からないことばかり言ってくるのだ

例えるなら……






謎解きのヒント






みたいな。


でも肝心の謎が分からないし、後々使えるコマンドみたいなもので、重要な事だけがわかる言葉の羅列だった





｢別に何も言われてないよ｣




｢そっか……ならいいんだけど｣





こんなに弱いパパは滅多に……いや、見たことない


一ノ瀬さんと関わるパパは最初っから、全然パパじゃなかったのを思い出す






パパと一ノ瀬さんは相棒関係って言ってたけど………何か他にもあるのかもしれない





｢服……欲しかったの？｣





｢うん、友達と遊びに行く時のやつが欲しかった｣





｢言ってくれればいいのに｣





ソファーに突っ伏したまんまだから、パパの顔は見えない


ただ柔らかそうな白い髪の毛が、喋るのに動じてふわふわとする





｢次からはそうするね｣






なんで今まで言わなかったか……なんて、そんなの言うまでもない

私が遠慮しているのだ




だって他人のお金をぽいぽい使えないし、必要最低限以上のものを既に与えられているのに、贅沢しようなんてさすがに思わない





お父さんとお母さんの保険金がどうなっているのかは知らないけれど、でも多分。パパはそれに手をつけてない





｢………パパ｣





｢なに？｣




｢パパはどうしてそんなに………｣




｢ん？｣



｢───なんでもない。お風呂入る｣







───パパはどうしてそんなに私に良くしてくれるの？





その答えがとても怖くて……だって分かっているんだ。
責任だって。


1度引き受けてしまった、責任だって。






そんな愛の欠片もないような答えをパパの口から聞きたくなくて、慌てて私は逃げた

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