過 保 護 の パパ ２【まふまふ】

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｢よかったね、合格して｣






私は不良でもなんでもないので、授業に毎度出ているから落ちるなんてことはないだろう



ないだろうけど



今までで1番達成感のある合格だったに違いない





｢大変だったけど、パパのおかげだね｣





発声練習から始まり、私は音が取れればいいとだけ思っていたのに、パパは声の出し方にまで口を出してき



私はもう心身ともにボロボロである







｢…………そうだね｣






目を細めて笑うパパがどうしようもなくかっこよくて、思わずパッと顔を横に背けた





｢なに？これ食べたいの？｣




どうやら私が背けた先にクッキーが鎮座していたようで、パパが苦笑しながら聞いてくる


本当は違う理由だけど、ここで違うと言っても別の理由が思い当たらないので食べたいと言った




｢1枚だけね。お客さんに貰ったから家に持って帰ってきちゃった｣





やっとお許しが出たので、茶色の多分ココア味のクッキーをひとつ摘む




私はとてもとてもいい子なので(特にパパの前では)きちんと席に座って袋を開けた




形のいいクッキーは手作りとはやっぱり違って、でも全身が美味しいですよぉーって言ってくれてる感じだ




｢いただきます｣




一口でパクッと食べるとサクサクした感触と甘い味



んーー！美味しいっ！





｢1日1枚なら食べていいよ｣




｢やったー！パパありがとう！
これからももっと持って帰ってきて！｣




｢………まぁたまには｣

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