過 保 護 の パパ ２【まふまふ】

62 ページ12

.








終わった………






学校に行く途中でマスクを購入して、テスト３科目を何とか乗り越えた




寄り道したなんてパパに知られたら怒られるけど、クラスメイトにうつすのも忍ばれるので、断腸の思いというやつだ







そしてお弁当がとにかく苦痛だった。
いつもは腹の減った私を迎えてくれるお弁当だが、今日に限っては罰ゲームとさえ思えてくる





パパは本当に気使いの鬼なので、片手で食べられるものが用意されていたが、正直残したい想いでいっぱいだった




でも、パパはお弁当 ──ご飯── をきちんと食べないと怒るので食べないは選択肢にない







｢A大丈夫？なんか今日、口数少なかったけど｣




テスト終わりで、あれがこうだ。あれはどうだった。の話に盛り上がってる教室は確実に人数が減っていっていた


私はもうちょい落ち着いたら帰宅しようと机に突っ伏していたのだ





｢うん、平気｣




｢テスト良くなかったの？｣





｢それは大丈夫。パパが勉強みてくれたの｣





｢あのイケメンパパさん？
いいなぁー。私もあんなイケメンに教えて貰えるなら満点なんて余裕かも｣




｢おすすめはしないよ。
でも……満点は余裕で取れるようなハードさだね｣





あははっとここ2週間を思い出して、自分を褒めたくなった

大変だったな……
分かりやすかったし感謝しかないけど、120点取れそうな勉強をしていた気がする





｢でも次のテストの時はAの家でやりたい！
私もパパさんに教えてもらいたい｣




｢……パパに聞いてみるね｣





お願いね！っとすごい勢いで腕を掴まれて、思わず胃酸が逆流しそうになった



今の私に刺激を与えないで……頼むから





じゃーねっと友達はそそくさと帰っていくのを見て、私も席を立つ


ぐわぐわする脳みそに、本格的にやばいなっと思いつつ、来たのだから帰らなくてはならない




あともうひと頑張り





学校を出るとかわいた風が心地よかった


帰ってさっさと寝よう





重たい足を小さな歩幅で歩いていく
他の学年もこの時間にテストが終わったのか、通学路は人で溢れかえっていた




うるさいな……。




些細なことですらイライラする
高橋さん迎えに来てくれる日だったらなーなんてないものねだり






｢おいっ!!?うしろっ……！｣






パパより遥かに低い男の人の声がして、反応できる前に強い衝撃が体を襲った


まずいって思ったけれど、気づいた時にはアスファルトが目の前にあった

63→←61

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す