D.Gray-man 本当の私2

第48夜　正社員？ ページ3

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｢ごくろうさーん。休憩していいよ―」


｢終ったぁ〜」


固まった体をほぐしながら、乾いた目を潤すため何度もまばたきする

ここの団長さんは典型的ないかにも団長さんって感じのひとで、少し出たお腹もくるっとなったひげもとても似合ってる

私よりマスコットぽい


というのは怒られること間違えなしだから、言わないけど……


｢いいよ君たち
チケットの売り上げが良かったら正社員にしてあげる！」


「「ホントですか！？」」


｢ああ！」


気前のいい団長さんが神様のようにみえた
マスコットっぽいとか思ってごめんなさい


｢アレン君、Aちゃん」


振り返った先にはフードを被ったリナリーが立っていた

この仕事をうまい事言って逃げたリナリーである
というのは嘘で


アクマが近くにいないかの見回り

私が大道芸をやりたそうにしているのを見越してか、譲ってくれた


今思えばしくじりだ


｢どう？この仕事は」


｢楽しいですよ！」


｢いや、そうじゃないよ。
うまくいったら正社員にしてくれるって団長さんが！」


｢……良かったぁ〜まずまずね」


｢うん！」


｢アクマもあれから音沙汰ないですし、今のうちに決めたいですね」


｢そうだね。この３日間ですでに５件クビになってるし……ね」


ちなみにこの三日は全て9日であるのは言わずもがな

あの時計に吸い込まれないようになるべく遠くに行くことで楽に回避することも判明したものの

とにかく辛い


なんたって夜がすっ飛ばされるのだから寝る暇がないのだ


｢まさかあそこまでとは思いませんでした……」


｢３桁の名も伊達じゃないね……」


二人ともこの三日間を思い出しているのだろう

遠いい目をしている……
ハハ、老けそう……

第49夜　芸は上手……→←第47夜　怒る少女

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