D.Gray-man 本当の私を探して見つけたものを大切に12

第29歩　言い回しの諄さ ページ32

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もうすっかりと夜
時刻でいえばまだ20時なる前


目の前には可愛い子供たちの寝顔
エマは買ってもらったばかりのぬいぐるみを抱きしめ、リュカはいつも通り真っ直ぐと寝ている


本当に双子か怪しいものだ


アレン「そろそろ行く？」


貴方「うん、行こっか 」


ゆっくりと物音を建てないように家を出る
しっかりとカギがしてあるかを確認して、二人で笑う


今日はクリスマス
私とアレンの誕生日


私たちは手を繋いで夜道を歩き始めた


アレン「今年も雪が凄いね」


貴方「寒い？」


アレン「手繋いでるから温かいよ」


この年齢でも変わらぬ紳士対応に照れる


貴方「月が綺麗ですね」


アレン「そうだね」


アレンをチラッと見るが…これはもうしょうがないで許していいのか？

鈍感アレンくんにもう一度だけチャンスを与える


貴方「暖かいですね」


アレン「さっきからどうしたの？口調が変だよ」


貴方「はぁ……もう！」


アレン「え？え⁉なんか怒るようなこと言った⁉」


貴方「こんなに有名なのし知らないなんて……」


アレン「有名？」


貴方「月が綺麗ですね」


アレン「それさっきも聞きましたよ？」


全く……一般常識でしょ


貴方「月が綺麗ですねって言うのはね“愛してます”って意味なの」


アレン「え……そんなの分からないよ
もしかして……」


貴方「もしかしなくても暖かいですねは“あなたがそばに居てくれて幸せです”っいう意味」


アレン「そうなんだ……さすが博学」


何が博学よ……
人が……ああ……愛してるって言ってるのに……！


アレン「星が綺麗ですね」


貴方「え？」


アレン「むかしAに言われたことがあるんだ
Aといっても、もうひとりの方の

あの時僕はそうだねって返したらさっきのA見たいに怒ってた」


貴方「その意味知ってる……」


サッと血の気が引いてくる
不味いわけじゃないけど、嫌


アレン「……知らない
そもそもこの言葉に意味があるなんてこと知らなかった」


貴方「そう」


アレン「それでなんて意味なんですか？」


貴方「教えてあーげない！」


アレン「え、なんで⁉」


人通りの多い雪道をかける
アレンも遅れて追いかけてくる


───あなたは私の想いを知らないでしょう


……嫉妬だ
あの子はこんな控えめな方法で想いを伝えたのに、この場に立っていて幸せに暮らしている私が嫉妬している

心狭いな……私



貴方「今日はとても幸せです」


───あなたと会えて幸せです

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