第12歩 現実はひっくり返らない ページ17
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ミカ「ただいま!」
なるべく明るく言って家に入る
靴がしっかりと3足あることからアレンが家にいることを確信する
少し外より暖かい家
アレンの部屋の前まで行く
──コンコン
ミカ「アレン……起きてる?」
アレン「起きてる」
珍しく返事がかえってきたことにビックリする
ミカ「入るね」
理を入れてから扉を開ける
アレンはいつも通りベッドの上に座っていなかった
窓際に立ち、シンシンと降り積もる雪を眺めていた
ミカ「珍しいね……外、今からでも行ってみる?」
アレン「いいよ……」
本当に今日はどうしてしまったのどろう
何か昔に戻ったみたいだ
そう思ってくると不思議と笑が零れてくる
ミカ「何か食べる?朝ごはん全部食べなかったでしょ?」
アレン「そうだね……なにか貰う」
あぁ……本当に何があったというのだろう
これほど嬉しいことは無い
なにが彼を元通りにしてくれたのか
Aの奇跡の力でも働いたのか
どちらにしても嬉しいこと
ミカ「分かった待ってて今持ってくるから」
弾みそうになる足を必死に抑え、昨日リナリーから貰ったみたらしを3本出し、お皿に出してアレンに渡してあげる
アレンはしばらくそれを見つめてから口に運ぶ
ミカ「どうしたの……なんかいいことでもあったの?」
アレン「Aの声が聞こえた気がするんだ
急いで外を見たけど何も無かった」
ミカ「Aはなんて?」
アレン「待っててって」
……
都合がいい
そう思ってしまう自分が嫌い
どうしてもそんなこと信じられない
そんな、自分たちに都合のいい事がポンポコ起こるわけがない
非科学的
そう思ってしまう自分が嫌い
この頭は本当に頑固だ
どうしても考えてしまう
どうして死者からの声が聞こえただとか
それでどうした神経を伝い、アレンが元に戻ったのか
本当に嫌になる
ミカ「じゃ……待ってよ?
Aの事だもの、またぐーすか寝てたんだわ」
アレン「そうですね」
もうアレンはみたらしをたいらげていた
昔のような……あの馬鹿みたいな量とは言わない
でも、確実に食欲が戻っていた
ミカ「それもらうね、下げてくる」
アレンから皿を受け取る
受け取った……
やっぱり現実は甘くない
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───ガシャン
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パール(プロフ) - さっちゃんさん» やっぱり最後はハッピーになってもらわないと、今まで不幸にさせすぎてしまったので、ありがとうございます! (2016年11月20日 7時) (レス) id: bcc8f6a5f1 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - 最後はやはりハッピーエンドですね(^ ^) 完結していた事に気付いたのが、今日で一気読みです サイコーでした*\(^o^)/* (2016年11月20日 2時) (レス) id: 721a3cd878 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 梅雨さん» ありがとうございました!意外にも早くあと話が終わり、本当にこれで終わりでいいのか?とか自問しつつ区切りをつけました。応援ありがとうございました (2016年10月17日 20時) (レス) id: bcc8f6a5f1 (このIDを非表示/違反報告)
梅雨 - 作品の完結、お疲れ様でした!この作品は、いつも更新を楽しみにしていたので、少しばかり寂しいですw他の作品も頑張ってください!! (2016年10月16日 2時) (レス) id: 8a6c331402 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - メイリーさん» いえいえ、ご期待にそれて良かったです!リクエストありがとうございました! (2016年9月15日 22時) (レス) id: 9e1ba6b0be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パール | 作成日時:2016年8月31日 20時