第11歩 時間の尊さ ページ14
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ミカ「アレン……私、ちょっと外に出てくるから家にいてね」
もちろん朝の出来事の後で返事なんて返ってくるはずないが、聞こえていることを信じて家を出る
暖かい陽の光が私を照らす
周りに人がいない道を歩く
上を見れば青空が広がっている
ミカ「よいしょっ……と」
軽い坂の芝生に腰を下ろし空を仰ぐ
ミカ「やっぱりキレイだな……」
手を伸ばす
決して届くはずもない空。手が透け、青空が見え隠れしている
ミカ「時間は……有限ね……」
初めはあんなに時間が要らなかったのに、今では欲しくてたまらない
久しぶりにアレンが怒こっているのを見た
確か2回目……1回目は二年前、ここに引っ越したばかりの昼下がりだった
────────────────
ミカ「アレン。悲しいのは分かるけどそろそろ出てきたら?」
アレン「もう嫌だ」
ミカ「そんなにAがいいの?」
アレン「Aがいない世界なんてどうだっていい」
ミカ「…………。」
ドア越しで話す2人は、お互いの顔は伺えない
ミカ「そんなにAご必要なら私がなるよ」
アレン「え……?」
ミカ「ほら、私体格も超えも見た目もそっくりでしょ?
あとは髪を染めて口調を変えれば見分けなんかつかないわ」
──バンッ
ドアが勢いよく開き、血相を悪くしたアレンが前に現れた
アレン「バカに……してるの……」
ミカ「し、してない」
その時のアレンの目は忘れられない
アレン「Aは……Aだ。ミカにだってなれやしない。二度とそんなことを言うなっ‼」
────────────────
あの時は衝撃的だったな……
全面的に私の考え足らずだと反省してる
でもアレンは私をAと間違えることが多し、あんなことを言わせたのはアレンだ
ミカ「A……あなたは幸せ者ね。こんなにも愛されて、ちょっと羨ましいわ」
空に向かって言う
きちんと届いているのだろうか……いや、そんなことを考えるのはヤボか
ミカ「A……私にはもう時間が無いの。だから________」
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パール(プロフ) - さっちゃんさん» やっぱり最後はハッピーになってもらわないと、今まで不幸にさせすぎてしまったので、ありがとうございます! (2016年11月20日 7時) (レス) id: bcc8f6a5f1 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - 最後はやはりハッピーエンドですね(^ ^) 完結していた事に気付いたのが、今日で一気読みです サイコーでした*\(^o^)/* (2016年11月20日 2時) (レス) id: 721a3cd878 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 梅雨さん» ありがとうございました!意外にも早くあと話が終わり、本当にこれで終わりでいいのか?とか自問しつつ区切りをつけました。応援ありがとうございました (2016年10月17日 20時) (レス) id: bcc8f6a5f1 (このIDを非表示/違反報告)
梅雨 - 作品の完結、お疲れ様でした!この作品は、いつも更新を楽しみにしていたので、少しばかり寂しいですw他の作品も頑張ってください!! (2016年10月16日 2時) (レス) id: 8a6c331402 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - メイリーさん» いえいえ、ご期待にそれて良かったです!リクエストありがとうございました! (2016年9月15日 22時) (レス) id: 9e1ba6b0be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パール | 作成日時:2016年8月31日 20時