まっくろな君 〜影浦雅人〜 Ver.2

episode82 ーいい人ー ページ45

ーA視点ー

あたし達3人、あたし、犬飼くん、辻くんは『計画』を実行すべく二宮さんの元へと向かった。

犬飼くん曰く、二宮さんの協力が無いと、達成出来ないのだという。
確かに聞いた感じそんな気はする。

少し歩くと、いつもの見慣れた基地へと着く。
そして慣れた手つきでロックを解除し、中へと入る。

その間、いつもは騒がしい犬飼くんは静かで、あたし達3人は一言も話さなかった。
犬飼くんはあたしの前を歩いているから、表情が分からない。


「遅かったな。」


黒スーツを着ていない、という事から恐らく私服であろう二宮さんが現れた。

「二宮さ〜ん、今回は協力ありがとうございます！」

「そりゃあ、Aの為、そして俺の為にもなるからな。」

どんどん、進む二宮さんと犬飼くんの会話。
取り残されるあたしと辻くん。


「こんな所じゃあれだな、ラウンジに行こう。」


そう提案したのは二宮さん。
あたしと辻くんは、後ろから2人について行った。

歩いている途中、ずっと犬飼くんと二宮さんは話していた。

…2人とも、あたしとカゲの仲直りの為にこんな協力してくれるなんて、とてもいい人だ。


あたしは、そんな事を考えていた。

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