12人の彼らと1つ屋根の下。2【ヒプマイ】

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Aside


お皿などの用意をしている際に、幻太郎たちから寂雷さんがお寿司を頼んでくださっていることを聞いた。

どうやら私の知らないところで皆さんが短時間で動いてくださったようで…


皆さんは本当に優しい方々なんだ。




日は沈み、時刻は18時を指そうとしていたときドアが開いた。



左「おー、うまそうな匂いしてんじゃねーか」


沢山の飲み物の入った袋を持ってリビングに現れたのは、左馬刻さんだった。


袋をどさっと置き、目があったかと思えばそのままこちらに近づいてくる。


な、なんだっ？！


左「お前…レモンスカッシュ飲めんのかよ」


顔をグッと近づけて放たれた言葉はジュースの名前で、それがなんだかおかしくて一生懸命笑いを堪えた。


『の、飲めますよ…！…ふっ』


左「そーかよ。
つか、なんで笑ってやがる」


ヤクザ様がレモンスカッシュっていうのが可愛くて…とは口が裂けても言わない。言えない。


寂「左馬刻くん。飲み物類重かっただろうに。
揃えてきてくれてありがとう。」


次に扉が開いて現れたのはパーティーを用意しようと言ってくれた寂雷さんで、お寿司らしきものが入った袋を持っていた。


左「どうってことねぇっすよ。
先生こそ寿司さんきゅーな。」


寂「ああ。ちょうど今届いてね。」


少し手をあげてお寿司の袋を見せる寂雷さんが見えた。



そうだっ、まずはお礼を言わないと…



『寂雷さん…こんな私のためにありがとうござあます…』


寂「こんな…というのは、言の葉党の君…ということかい？」


『…！えぇ、はい…』


言の葉党である自分はやはり警戒されているのだと思うと、皆さんが遠く感じた…


分かっていたけれども。


まだ乱数としか話していないのに、皆さんの優しさに触れるうちに、勝手に仲間だと思われているんじゃないかと錯覚してしまっていたのだろうか。


やはり皆さんが揃ったら自分の口で、きちんと、伝えよう。



そんなことを考えていると、頭の上にふと大きくて温かい手が乗せられていることに気付いた。


寂「Aちゃん。
そんなに難しい顔をしなくても大丈夫だよ」


大きな手が優しく頭を撫でてくれている…

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