第70話:部長は気遣い ページ7
「ーー全国大会で会おう」
「『あざース!!』」
練習試合終了後、お互いの監督に挨拶をする。
ここはさすがに烏野として、猫又監督の元へ集合した。
全国大会。そうだ、東京の音駒と公式戦をするには、宮城代表として全国大会に出場するしかない。
宮城代表は1枠。強豪として周知されているだけでも、青葉城西、それから、白鳥沢にも勝たなくてはいけない。
”新しいチームで当たった時は全力で勝負しよう”
いつか、交わした言葉。
これを実現させなければ、音駒とは戦えない。
でも、俺は多分その時、コート内にいられない。
彼は、これを、全力で勝負した、と感じてくれるのだろうか。
「おいA。マッサージするぞ」
『え?あー片付けとか終わってからでいいですよ』
「うっせえ。今日はいつもの練習より無理させたんだ。座れ」
考え事をしていたところで鵜養さんに呼ばれて一瞬思考が停止した。
いつもより強引な鵜養さんは、俺を無理やりベンチに座らせると、自分はその場に跪き、俺の足にマッサージしてくれる。
「片付けは他の奴らだってできる。お前の足を休ませられるのはお前だけだ」
『う、はい』
そんな風に言われてしまえば、何も言い返せない。
みんなが片付けをしている風景を眺めつつ、申し訳ない気持ちを感じながら、されるがままにされていた。
『ありがとうございます』
一通りのマッサージをしてくれた後。
大人たちは挨拶をする、とかで行ってしまった。
今日はもう無理すんじゃねえぞ!という捨て台詞を残して。
「うちにいたはずのマネージャー途中からどっか行っちまったんだよ」
『・・・』
「なあお前知ってる?3vs3で綺麗なスパイク決めてらした王子様?」
『すまないと思っている』
片付けを手伝いに行った矢先。黒尾に捕まった。
聞きたいことがある、とかなんとかいって。
「ま、いいけど。お前、跳べたんだな」
『最近、ちょっとずつね』
話題が変わったことに内心ホッとした。
「まだまだだったけどな」
『誰目線だよ』
思わず突っ込んで笑ってしまった。
「まあ、なんだ、無理すんなよ」
『え?してないよ』
「ウチから相手してって言ったらしいな」
猫又監督と芝山くんのことを言っているんだろうか。
むしろ俺に気を使って猫又監督から声をかけてくれたのに。
というか、なんていうか黒尾ってちゃんと部長で、気使ってるんだな。
お前に気遣いは無用らしいな。
冗談ですごめんなさい。
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もこ(プロフ) - 出来たらシリーズにしてくださると読みやすいです。いきなりすみません。 (8月2日 16時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます。なかなか更新できずすみません、、リンクの報告ありがとうございます!貼ったつもりでしたが、確認してみます(°_°)更新頑張ります!! (2018年6月26日 12時) (レス) id: 921ec050fc (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - この小説大好きです!次の更新楽しみにしてます!でも多分前編にはどちらにも続編リンク貼られてないし続編があるとも書かれていないので、続編があるとは知らずに1や2で読むのが止まっている人がたくさんいると思います。前編は更新停止状態にされていましたし。。 (2018年6月25日 11時) (レス) id: ca5e06f07f (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 夏海です!麗(うらら)で始めました! (2015年2月13日 23時) (レス) id: de73129859 (このIDを非表示/違反報告)
cat=^・ω・^= - これからも頑張って下さい!!応援してます!! (2015年1月21日 9時) (レス) id: e5b4a0e619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浅葱 | 作成日時:2015年1月10日 19時