悪夢 ページ7
「お前は諜報員として活動するのだ。それに最も重要なのは、情報を易々と敵に洩らさないための拷問訓練だ」
「ごうもん……」
幼い僕は親の言うことが絶対だと思って生きてきた。今もそう思っている。
だから、親の言う拷問訓練にも耐えてきた。それに耐えることによって、僕は価値を得られる。僕に価値が生まれる。
ただ、それだけを信じて。
鞭で打たれても口を閉ざし、爪剥ぎで呻き声一つ上げず、寝言で一言も発しないようになり、首を電気コードで絞められ、感電しても耐えて、耐えてきた。
そうして、入隊を果たした。
今は何とも思わない訓練だが、あのときまだ感じていた苦しみは夢という形で僕を苛む。
あのときの擬似体験までして、息が苦しくて。
やがて、遠くから優しく呼び掛けてくる声が聞こえた。紫淋さん、と僕の名前を呼ぶ声が。
あの声がする方に行けば、この夢は終わる──
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瑠色(プロフ) - 浅野月愛さん» ありがとうございます。引き続き、お楽しみください。 (2019年4月6日 1時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
浅野月愛(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも応援してます! (2019年4月5日 23時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年4月5日 22時