うちのマネは女装男子でした５【男主】

178話 ページ34

No side





菅原「ははっ、俺ら出る幕ないじゃんっ」


澤村「ああ、そうだな。ほんっと全部言いたいこと言ってくれちゃって…！」





じゃれ合う2年をうっすらと涙を浮かべながら眺める2人


先輩が道を示さずとも、彼らは固い絆で力強く進んでいく





澤村「ところでなんでヒゲは泣いているんだ」


東峰「スガも大地も…ウゥッ……ちょっと泣いてるじゃん…」


菅原「…目から汗が出てるだけだし」


澤村「同じく」


東峰「強引過ぎない…？」





Aが全てを話してくれたこと


身体が苦しくても、心が苦しくても…バレー部(自分たち)が支えになっていて、共にバレーをしたいとAが望んでいること


仲間であり続けたいとAも強く思っていること



……それらが全て、嬉しかった





影山「Aさん！！」


『は、はい！なに！？』


影山「Aがしんどいっていうの見てて分かんなかったッス！！そんくらいAさんのバレーはかっこいいです！！」


『！』





かつてのライバルである牛島に“お前の望むバレーじゃない“と指摘され、


従兄弟には“思い通りのバレーが出来ない、と苦しむAを見るのがつらい”と言われ、


A自身、今のバレーが自分の欲望を全て満たしたバレーでないことを苦しく思っている


それでも…






影山「昔からずっと俺がトスを上げたいと思えるスパイカーはAさんだけです！昔からずっとAさんはかっこいいです！！」


日向「俺も！Aさんみたいなスパイク打てるようになりたいです！！」


山口「教えて欲しいことまだまだたくさんあります！」


月島「…勝手に自分で今のバレーを否定しないでくださいよ。……今も憧れてるんですから」






過去の彼も、今の彼も


過去のプレーも、今のプレーも


人を惹きつける魅力に溢れている






武田「過去のプレーに固執する必要はありません。メディアや世間が何をどう言おうが篠宮くんは篠宮くんです」


烏養「せっかく苦しい思いしながらも大好きなことやってるんだろ？誰かのためにやらず、自分のためにやれよ」






大切な仲間たちからの言葉のひとつひとつが彼の心を、身体を軽くした。






『…ありがとう…ございます……！！』


西谷「つーかAが泣いてるとこ初めて見たっ！」


田中「写真撮ろうぜ写真！」


『や、めろっ…！バカ…！』






体育館の窓から射し込む夕陽に照らされ、




Aの涙はキラキラと輝いていた。

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