176話 ページ32
縁下side
烏養「……よし、全員集合しろ」
着替え終えて体育館に戻ってくると、コーチが集合をかけた。
ぞろぞろと部員が集まり、一つの円になる。
……コーチの隣にはAが立っている。
『すみません、ちょっと、話しておきたいことがあって』
そう言ってAは話し始めた。
牛若に話した時と同じように、Aは淡々と自分の病気について話し始めた。
喘息だ、と言うと騒めきが走り、皆が固まった。
『日向、影山……合宿ん時の朝の“苦しそうな咳”っつーのは俺のだ。まさかお前らが朝から走ってるとは思わなくてすげー焦った』
日向はあっ、と声をあげ、
影山は悲しそうに顔を歪めた。
西谷「じゃ、じゃあ!体育ん時に全力出してねーのって…!」
『サボらざるを得ないんだ。苦しくない範囲でやってたから力抜いてるように見える。……持久走は特に、な』
文化祭2日目の夜、ネットで喘息について調べた。
決して珍しい病気ではないものの、俺が思っている以上に危険な病気であることを知った。
普段の症状が軽度であっても突然重発作を起こして死亡する場合があるらしい。
年間約2000人が喘息で亡くなっているという情報もあり、背中にじっとりと冷や汗をかいた覚えがある。
『本当は俺ね、烏野でバレーやるつもりなかったんです』
全員「「……!」」
『だってもう…諦めてたから。喘息ってすっげぇ苦しいんすよ。発作がキツいし、いつ起こるか分かんないの怖いし』
彼の両親はAがまたバレーをする、と言うと強く反対したということを聞き、また驚く。
“これ以上愛する我が子を失うのは何があっても嫌だ”
Aにはお姉さんの件がある。
ご両親が反対するのも無理はないと感じた。
『………なのに、さ』
重苦しい沈黙と沈痛な面持ちの面々を見回し、Aは……
『みんなと出会ってしまったから。
最高の仲間に出会ってしまったから……
…どうしても、またバレーをやりたいと思ってしまったんだ』
________________嬉しそうに、笑った。
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ニノ - マジ神ですね!一瞬ではまりました!リクエスト良いですか!? (2021年3月3日 23時) (レス) id: 2da73a2d31 (このIDを非表示/違反報告)
焔蘭 - 初めまして!!!!めっちゃ面白いですね!私にもそんな文才を分けて欲しいです笑頑張ってください! (2019年3月6日 11時) (レス) id: 11e9f49b77 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶クリーム - 皆様すみません!!ご迷惑お掛けしてます!!私の方も新しくURLを所得してまいりますので…!!!!本当にすみません┏○┓ (2018年1月13日 9時) (レス) id: 9fe09aed16 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - あ、いえいえ。そうなんですね。バグですか……。明日には直ってるといいですね。一刻も早く直ってほしい限りですね……! (2017年9月18日 20時) (レス) id: cc7912d21e (このIDを非表示/違反報告)
ぱや(プロフ) - 美桜さん» 只今作者も確認しましたが作品内のURLだけでなく、HPの方からも見れなくなっています(;_;) 何らかのバグかも知れません、ご指摘ありがとうございます。解決方法探してみます! (2017年9月18日 20時) (レス) id: ab4af77f12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱや | 作成日時:2017年8月20日 20時