第249話 食い違い ページ8
リゼが乗った船を見送った次の日。
アステラス王国の城でマリアがお茶を嗜んでいると、またしても来訪者が現れた。
「久しいな。いや、そうでもないか。女王マリア」
甲冑を身につけ、燃えるような赤い髪を持つ端正な顔立ちの男───煌帝国第1皇子・練紅炎が挨拶代わりに言う。
前髪を伸ばして片目を隠した第2皇子・練紅明も同行しており、柔らかく微笑みながらマリアに問いかけた。
「戦いの後急に倒れるものですから、驚きましたよ。お加減はもう大丈夫ですか？」
「だ、大丈夫です…
本日は、わざわざお越しくださり、ありがとうございます。何か、御用があってのことでしょうか？」
マリアがお茶のセットを慌てて片付け、おずおずと尋ねると、紅炎はフン、と鼻をならして顔を背けた。
「お前の間抜けな面を拝みに来ただけだ」
「兄王様はマリア殿の事をとても心配しておられて、ここ数日ずっとそわそわしていましたよ」
紅明がマリアに近づき小声で告げ口したが、紅炎にはしっかりと聞こえていたようで、脛にキックをお見舞いされていた。「あがっ！」と悲鳴を上げるそばかす皇子。
「ま、まあ用事はそれだけではありません。……ルカ殿は今どちらに？」
「えっと…たぶん中庭で鍛練をしていると思います。あの…ルカが何か？ まさか、また何か失礼な事を……？」
「いいえ、そうではありませんよ。ただ、ルカ殿が我々に対して思い違いをしている件がありまして。少し、お話をさせていただきたいのです」
◇◇◇
城の会議室の長机を、練紅炎と練紅明と、ぶすっとした顔のルカ、おどおどしているマリアが囲んでいた。
「何の用だ。戦闘の事で何か文句でもあるのか」
ルカは不機嫌そうに腕組みをしていて、紅炎たちとは目も合わせようともしない。
「ルカ、あんまり失礼な態度はダメだよ。前、紅炎さんたちを襲った時だって、弓術勝負で水に流してもらえたんだから…」
「………」
マリアに少し厳しい口調で諭され、ルカはばつが悪そうに唇を尖らせた。
「今回の戦闘での青秀とのやり取りは聞かせてもらった。俺たち、リプニア王国を制圧した際、お前の兄を殺した、とな。
……だが、生憎俺には全く覚えがない」
紅炎の言葉を聞いて、ルカは激昂する。
「お前まで青秀同様しらばっくれるつもりか！？ 権力者だからといって、そんな嘘が許されると思うな！！」
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ちぇりい(プロフ) - ネコ２世さん» ありがとうございます！！！マギも完結しましたし、まだこの小説を読んでくださっている方がいることに驚き、とても嬉しいです！ 頑張って完結させますね！！ (2022年1月27日 23時) (
レス) id: 3c2f248552 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - みっちゃんさん» まだですが、頑張ります！！ (2022年1月27日 23時) (レス) id: 3c2f248552 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ２世(プロフ) - この作品を読んでいてファンになりました！美少女達の恋の行方や世界を救えるのかなど続きが気になります！ (2022年1月24日 5時) (レス) @page40 id: 70e333ef08 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん - これって物語完結したんでしょうか？ (2021年4月28日 23時) (レス) id: 9e3370e2e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - (＊∀＊)ノさん» コメントすごく嬉しいです！！ありがとうございます！！ 大好きになっていただけてかなり嬉しいです！ 今後もマリアの活躍を楽しみにしていてください。 (2019年4月15日 0時) (レス) id: 3c2f248552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぇりい | 作成日時：2018年3月30日 16時
