第283話 復讐の旅の終わり ページ43
ルカは地面に膝をつき、深く頭を下げて謝罪する。
「本当に申し訳なかった。二人を危険に晒してしまった。無関係の王宮の者たちや煌の者たちも恐ろしい目に遭わせてしまった。どんな罰を受けても構わない」
「ルカ!頭を上げて!私たちはこうやって無事に帰って来られたんだから。
それにしても、また元のルカに戻ってくれて本当に良かったよ」
マリアは慌ててそう言うが、練紅炎は目を細め険しい表情をしている。
「全く。本当に酷い目に遭った。
お前には以前も襲われたしな。皇族である俺に働いた不遜の数々は、お前の首が幾つあっても足りん。
………だが、俺も謝らなければならない。
煌との戦によって兄を失ったお前の悲しみの深さを理解出来ていなかった。疑問に思っていながらも、真実を訂正する事すら長らく出来ていなかった。そのせいでお前を苦しめた。
本当にすまなかった」
大きな背中を丸めて頭を下げる炎帝の姿に、ルカは目を見開き、そして一筋の涙を流した。長年続いた彼女の苦悩は、後悔は、悲しみは、今この瞬間ようやく終わったのだ。
その様子を見て穏やかな笑みを浮かべていたマリアは、はっとして隣にいたトラルークに問いかけた。
「レイラさんとメイとフィアと青秀さんは!?無事なの!?」
「レイラはルカとの戦闘で怪我を負ったけど、今は城の魔導士が治療して無事に傷は塞がって安静にしてる。メイはレイラの看病をしてくれてると思うよ。
フィアと青秀さんは……ルカを堕天させたアル・サーメンの魔導士を追ってる」
◇◇◇
フィアを肩車した青秀は、アステラス王国郊外の森を走っていた。メイの占いで、ルカを堕天に導き姿を消したアル・サーメンの魔導士の居場所を突き止めたのだ。
「あの野郎、ぜってぇ逃がさねぇ! てかお前、いつまで俺の肩に乗ってんだよ!」
「仕方ないでしょ。あんた歩幅でかくて速すぎるから、か弱いレディーのあたしじゃ追いつけないの。
……あ!!いたわ!あれよ!!」
フィアは、上空を飛行する人影を指差した。途端に青秀は髪の毛の蛇を伸ばし、遥か彼方にいたその人物を捕まえ、地上に引きずり下ろした。
「俺の女に手ぇ出しといて生きて帰れると思うなよ」
「よくも大事な仲間を、あんたたちみたいなダサい奴らの傀儡にしようとしてくれたわね。あたしが天誅を下してあげる!!!」
青秀とフィアがずっと温めてきた決め台詞を言い放つ。
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ちぇりい(プロフ) - ネコ2世さん» ありがとうございます!!!マギも完結しましたし、まだこの小説を読んでくださっている方がいることに驚き、とても嬉しいです! 頑張って完結させますね!! (2022年1月27日 23時) (レス) id: 3c2f248552 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - みっちゃんさん» まだですが、頑張ります!! (2022年1月27日 23時) (レス) id: 3c2f248552 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ2世(プロフ) - この作品を読んでいてファンになりました!美少女達の恋の行方や世界を救えるのかなど続きが気になります! (2022年1月24日 5時) (レス) @page40 id: 70e333ef08 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん - これって物語完結したんでしょうか? (2021年4月28日 23時) (レス) id: 9e3370e2e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - (*∀*)ノさん» コメントすごく嬉しいです!!ありがとうございます!! 大好きになっていただけてかなり嬉しいです! 今後もマリアの活躍を楽しみにしていてください。 (2019年4月15日 0時) (レス) id: 3c2f248552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2018年3月30日 16時