第126話 煌に潜む闇 ページ49
青い髪で三つ編みをつくり、黒い魔導士の衣装を見に纏った幼い少年が現れた。額には赤い宝石がついた飾りをつけている。
マリアが不思議そうな顔で彼を見つめていると、アリババが紹介した。
「こいつはアラジン。前にも話しただろ? 俺やモルジアナの仲間だ。ここ最近はずっと籠りきりで魔法の研究をしてたから、会うのは初めてだよな」
「はじめまして。マリアおねえさん」
アラジンは、にっこり笑顔で挨拶をする。
「こ、こちらこそはじめまして! アラジンくんは…マ、マギなんだよね? すごいね!」
初めはマギについてよく知らないマリアだったが、この世のルフを自由に操れる、普通の人間とは違う存在であるとアリババに教えてもらっていた。
「そうかな? 確かにみんなはそう思うかもしれないけど、僕はソロモン王にこの世界を託された存在として、いち早く世界の危機を察知できるようにしているだけさ。もちろん、アル・サーメンのこともね」
「あるさーめん、って何…? さっき、災いをもたらす存在って言ってたけど」
「世界に貧困や戦争を撒き散らしてる連中だよ。あいつらのせいで、バルバッドはあんな内乱が起こっちまった」
アリババのその言葉を聞いて、マリアは混乱する。
「どういうこと? 練紅炎さんたちに侵略されたんでしょ?」
「もちろん、あいつらも関わってはいるけど…実際にバルバッドの内政に踏み込んできて国を崩壊させたのはアル・サーメンなんだ」
「彼らは着々とこの世界を破滅させる準備を進めているよ。白龍くんとジュダルくんも消されてしまった…」
「!?」
衝撃の事実を知り、目を見開くマリア。世界情勢に疎いマリアでも、彼らの事ぐらいは知っている。煌帝国の第四皇子・練白龍と、神官ジュダル。最近、表舞台から姿を消し、裏で暗躍しているのではないかと噂されていた二人だ。
「会談の島に向かっている途中で、煌帝国から急遽連絡が入ったんだ。現皇帝の練玉艶を奇襲した白龍くんとジュダルくんが殺された、ってね。その件で紅炎おじさんたちがすぐに煌帝国に戻ったから会談は中止になったんだ。せっかく、世界平和のための良い機会だと思ったのにね。
一応正当防衛ではあるから、紅炎おじさんたちも変に責め立てることはできなくて、硬直状態が続いているんだよ」
第127話 ファナリス少女の早とちり→←第125話 そしてお約束の展開
38人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» コメントありがとうございます! 続きを更新できるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2015年11月5日 6時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
のどか(プロフ) - お久しぶりです!この小説も第三弾ですね、前回の展開がやばすぎて(フィアちゃんかっこよすぎですよ。)これからも頑張ってください!続きが気になって仕方ないですー! (2015年11月3日 22時) (レス) id: c4d22bd61b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年11月1日 17時