第125話 そしてお約束の展開 ページ48
「ヒーロー参上ってか。マジうぜ〜」
青秀が、ゆっくりと蛇を斬った人物の方へと向き直る。
「俺の蛇に何すんだよ」
「あんたのはどうせ再生すんだろ!」
炎の大剣を構えた少年――アリババがそう言ったそばから、地面に落ちていた蛇がすうっと消え、青秀の頭から新たな蛇がにょきにょきと生えてきた。
「まーな。俺は痛くねぇからいいけど、こいつらに謝れよ」
その恐ろしい光景を見て、座り込んでいたマリアは息を呑んだ。
「アリババ、俺の許可なく魔装を展開するとは何事だ。しかもせっかくの余興の邪魔をしたな」
不機嫌そうな顔で紅炎がアリババを睨み付ける。
「何が余興だよ!! またマリアをいじめやがって!」
「その女を見るとつい、な。いじめ甲斐がある顔をしている。お前と同じだ」
「ッ…! あんた、本当サイテーだな。行くぞマリア」
アリババはマリアに自分の上着を羽織らせると、彼女を連れて中庭を離れた。
その一連の流れを、アリババの眷族たちが草むらに隠れて見ていた。
「とっさの気遣いがイケメンっすね。さすがアリババさん!」
オルバが感心したように言うと、半眼でトトがツッコむ。
「いや、あれは恋愛マニュアルに載ってるのをそのまま実践してるだけだ」
そうこうしているうちに、アリババとマリアは裏庭に移動していった。トトたちも慌てて追いかける。
「あの、アリババくん…助けてくれてありがとう。私、すごく怖かったんだ」
「女の子が困ってたら助けるのは当然だろ! これからもどんどん俺を頼れよ」
アリババの優しい言葉に、マリアは満面の笑みを浮かべて頷いた。
「うん! ありがとうアリババくん!!
…でもね、私自身も強くならなきゃって思うんだ。さっき、練紅炎さんも言ってたよね。
みんなに今まで助けてもらった分、今度は私がみんなを守りたいの」
「そっか。マリアは偉いな。じゃあ、俺が剣術教えてやるよ! まあ俺も人に教えられるほどじゃねーけどな…。自分の国だってまだ取り戻せてねーし」
と言って表情を曇らせるアリババを、マリアがフォローする。
「アリババくんのせいじゃないよ! だって、煌帝国の人たちに脅されてるんでしょ?」
「いや、それもあるんだけどさ…この国には、煌帝国には…もっと大きな脅威が巣喰ってるんだ」
「脅威?」 怪訝そうに尋ねるマリア。
その問いに、後ろから聞こえてきた少年の声が答えた。
「この世界に災いをもたらす存在…アル・サーメンのことさ」
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ちぇりい(プロフ) - のどかさん» コメントありがとうございます! 続きを更新できるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2015年11月5日 6時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
のどか(プロフ) - お久しぶりです!この小説も第三弾ですね、前回の展開がやばすぎて(フィアちゃんかっこよすぎですよ。)これからも頑張ってください!続きが気になって仕方ないですー! (2015年11月3日 22時) (レス) id: c4d22bd61b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年11月1日 17時