第115話 ただいま遠征中! ページ38
◇◇◇
「あああ……UVが……UVがぁあ………シミができちゃう…」
「…焼け死ぬ」
「レイラさん、もう少しなので頑張ってください! ト、トラちゃん、帰っちゃダメだよ!」
マリア、レイラ、トラルークの3人は何人かの兵士に付き添われて、照りつける太陽の下を歩いていた。地面には手入れもされていない草がボーボーと生い茂っている。
昨日―――、アステラス王国の伝統的な織物であるビアンカを調査する事が決まり、皆でその研究方法を探っていた。
『しかし、王国中から職人を探し出すのは大変困難な作業です、女王様」
『あの、私、心当たりがあるんです!」
マリアの言う“心当たり”とは、マーサの事だった。織物をくれた彼女なら、ビアンカに何かしら関係があると思ったのだ。
早速役所でマーサの出身を調べると、なんとビアンカの発祥地であるカミディア村であるという事が判明した。
そこでマリアは、足腰が弱ってあまり遠出が出来ない鑑定士の代わりに、優れた研究技術を持つトラルークと、彼女とあまり衝突が激しくないレイラを連れて村へ赴く事にしたのだ。ルカたちを連れて行かないのは、万が一に備えて城に戦力を残しておく為である。
そうして今日城を出発したのだが、カミディア村は国の辺境にあるため、かなり時間がかかった上に、途中で草が生えすぎている道があり馬車が通れなくなってしまったので、自分達の足で村まで行かなければならなくなった。
季節はもう夏。マリアは涼しげな半袖だが、レイラとトラルークは日焼け防止のためにそれぞれローブやら上着やらを羽織っていたせいで、暑さですぐにダウンしてしまった。ちなみに兵士の皆さんも甲冑を着ていてとても暑そうだが、我慢してしっかり護衛をしている。
「マリアちゃんは日焼けとか気にならないの?」 ゾンビの様な顔をしたレイラが問いかける。
「確かに気になりますけど…ちょっと日焼けもしてみたいかもしれません。あ、あれです!」
マリアが指差した方向を皆が見ると、そこには「カミディア村」と書かれた立て札があり、後ろに小さな小屋や田畑が広がる村があった。
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ちぇりい(プロフ) - のどかさん» コメントありがとうございます! 続きを更新できるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2015年11月5日 6時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
のどか(プロフ) - お久しぶりです!この小説も第三弾ですね、前回の展開がやばすぎて(フィアちゃんかっこよすぎですよ。)これからも頑張ってください!続きが気になって仕方ないですー! (2015年11月3日 22時) (レス) id: c4d22bd61b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年11月1日 17時