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第80話 煌のねらい ページ48

 
翌日の朝―――

荘厳な造りの城の会議室で、マリアたちは待機していた。

「マリアちゃん。決心はついた?」
隣に座っていたレイラが顔を覗き込むと、少女は肩を震わせながら静かに頷いた。

「大丈夫よ。いざとなったら私が話すから」

メイとフィアは、そんな女王の様子に不安を感じた。

緊迫した状態が暫く続いていたが、部屋の扉が突然開き、練兄弟とその眷族たち、そして―――
手錠を掛けられたルカが、兵士に連れられて入ってきた。

「ルカ!」


真っ先に声を上げたのは、マリア。
その金色の瞳は潤み、瞬きもせずに、目の前の黒髪の少女だけを見つめている。

マリアの姿を見て、ルカはどこか懐かしそうな顔をしたが、すぐに申し訳なさそうに俯いてしまった。

レイラは、訝しげに煌の意図を探っていた。

(何のためにルカをこの場に連れてきたのかしら。とても、再会を許してやろうと言った感じではないし……)

フィアが途端に顔を強張らせる。

(まさか、あいつら……! まずい!)

煌の一団が着席すると、練紅明が早速話を切り出した。
「では、女王様の意見を聞かせていただく事としましょうか。ルカ殿の件について」

「えっ、あ…えっと……」

マリアは、ルカとまた会えたことが嬉しくて、すっかり本題を忘れていた。

「どうされましたか? 女王マリア殿」

(言わなきゃ…私は、アステラス王国を守るって決めたじゃない……! だからルカを犠牲にしなきゃいけなくて…………

でも、そんなひどいこと、ルカの前で言えないよ………! 私、どうすれば良いの?)

フィアはぎゅっと唇を噛みしめる。
(あいつら、マリアが本人の前で『ルカを切り捨てる』って言えないってわかって、わざと連れてきたのね! くそっ……!)

レイラは、ルカの方をちらちらと見て慌てふためくマリアを案じ、一歩前に出た。

「女王の代わりに私が発言いたします。アステラス王国は…」

「我々は女王様の意見をお聞きしたいのです。お下がりください、レイラ殿」

「! 申し訳…ありません」
紅明に制され、レイラは歯痒そうに頭を下げて引き下がった。

「さあ、アステラス王国の女王マリア殿。あなたの旨をお聞かせください。ルカ殿の処遇を決めましょう。我々が処刑するか、それとも命を助ける代わりに我々煌の傘下に入るか」

練紅明は怖いくらいにこやかに笑いながら、マリアに答えを迫った。
困り果て、何も言えなくなってしまったマリアに、練紅炎が更なる追い打ちをかける。

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設定タグ:マギ , 練紅炎 , 歌姫   
作品ジャンル:アニメ
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真冬(プロフ) - いいえー。更新頑張ってくださいね(о´∀`о) (2015年7月2日 11時) (レス) id: f157971441 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - 真冬さん» なるほど…レイラさんは大人の色気、フィアはツンデレラブリーですもんね! ありがとうございました。 (2015年7月2日 7時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
真冬(プロフ) - お久し振りです(*´ω`*)そうですね、やっぱり、紅炎様 ファンなので紅炎様ですね。あ、でもレイラさんとフィアが、好きです。続き、楽しみにしてますよ(о´∀`о) (2015年6月26日 22時) (レス) id: f157971441 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - 真冬さん» 「頑張って」の一言だけでも十分嬉しいですよ! ホント、真冬さまは神様です! ありがとうございます! (2015年6月21日 18時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
真冬(プロフ) - ちぇりいさん» 返信遅れましたが、今回もまた続きが気になりますね♪何か、頑張ってくださいしか言えてないのですけどごめんなさい。だけど、とっても応援してますよ( v^-゜)♪ (2015年6月21日 11時) (レス) id: f157971441 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年5月30日 0時

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