第79話 決断のとき ページ46
「ごめんなさい…私…でも、本当にルカが……」
そう、マリアは仲間のことが心配で、不安を拭いきれなくなってしまっただけ。しかし、その優しさこそが、女王として生きていく上での彼女の弱点でもあるのだ。
床にぽたぽたと涙を落としているマリアに向かって、レイラが言う。
「ああなったのはあの子の自業自得よ。殺されても文句は言えないわ。だからね、 マリアちゃん。明日、煌帝国に問われたら、『もうルカは仲間じゃないから私たちアステラス王国とは関係ない』と言いなさい」
金髪の少女は、咄嗟に顔を上げて首をぶんぶんと横に振ったが、レイラはそれを気に留める様子もなく、部屋を出ていった。
それを見ていたフィアも、
「いい加減決断しなさいよ。あんた、腐ってもアステラス王国の女王なんだから。みっともないわよ」
と言い放つと、おどおどしているメイの腕を引っ張っていき、その場をあとにした。
一人残された女王は、そのまま床に座り込み、泣き続けることしかできなかった。
(そんなの…わかってるよ……。私は、国のみんなを救うために女王になったんだから。だけど、ルカは……! 死なせたくないよ…!!)
***
窓辺で、レイラは星空を見上げていた。
(あの日のこと、今でも忘れないわ…。こんな綺麗な星空の下で、ルカと二人でお酒を飲んだ…。フラれた私を励ましてくれたのよね。それで、お酒に弱かったルカは、酔いつぶれて昔のことを話し始めた。貴族の屋敷で働いていたこと、お兄さんのこと、反乱のこと、そして…煌帝国を怨んでいること。顔を赤くして泣いているあの子を、夜が明けるまでずっと抱き締めていた)
レイラはまばたきをしないようにして、涙が零れないように必死に目に押し留める。
「ごめんなさい、ルカ。全部私のせいだわ……
もっと私があなたを見ているべきだった」
――――Will she look at this starlit sky, too?
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真冬(プロフ) - いいえー。更新頑張ってくださいね(о´∀`о) (2015年7月2日 11時) (レス) id: f157971441 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - 真冬さん» なるほど…レイラさんは大人の色気、フィアはツンデレラブリーですもんね! ありがとうございました。 (2015年7月2日 7時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
真冬(プロフ) - お久し振りです(*´ω`*)そうですね、やっぱり、紅炎様 ファンなので紅炎様ですね。あ、でもレイラさんとフィアが、好きです。続き、楽しみにしてますよ(о´∀`о) (2015年6月26日 22時) (レス) id: f157971441 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - 真冬さん» 「頑張って」の一言だけでも十分嬉しいですよ! ホント、真冬さまは神様です! ありがとうございます! (2015年6月21日 18時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
真冬(プロフ) - ちぇりいさん» 返信遅れましたが、今回もまた続きが気になりますね♪何か、頑張ってくださいしか言えてないのですけどごめんなさい。だけど、とっても応援してますよ( v^-゜)♪ (2015年6月21日 11時) (レス) id: f157971441 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年5月30日 0時