第52話 アホ毛とアホ毛が交差するとき、物語は始まる。 ページ16
「アステラス王国の人達…だよな?」
マリアは真っ先に前に出て、その問いに答える。
「はい! 煌帝国との話し合いに来ました!」
ルカたちはその様子を見て怪訝に思った。どうして男性が苦手な彼女が、ここまで積極的に会話できるのか気になったからだ。
「そっか! 紅炎…あ、閣下から来るとは聞いてたから、すげー気になってたんだ! 俺は旧バルバッド王国の第3王子、アリババ・サルージャだ。よろしくな!」
彼がそう言ってニカッと笑うと、健康的な白い歯が口元から覗いた。
「アステラス王国の女王、マリアです。こちらこそよろしくお願いします」
満面の笑みを見せるマリア。
その様子を見て、フィア、ルカ、レイラの3人は直感した。
(恋ね)(恋だな) (若いって良いわね…)
ちなみに鈍感なメイは全く勘づいていない。
「あんたが女王マリアか! こんなに可愛い女の子だなんて驚きだぜ! …あ。俺、敬語の方が良いのかな?」
「ううん。全然大丈夫だよアリババくん。私の方が年下だもん!」
マリアは幸せそうなオーラを漂わせながら、楽しそうに談笑している。
フィアは、二人の姿を見比べながら呟く。
「やっぱり、金髪アホ毛同士気が合うのかしら……?」
「たしかに、ふたりともなんかにてるよねー! やさしそうな所とか!」
ふと、アリババが側に控えていた赤い髪の少女を前に押し出す。
「こいつはモルジアナ。俺の眷族なんだ!」
「けんぞく?」 マリアは目を丸くする。
「俺、一応金属器使いなんだよ」
「へぇー! そうなんだ! よろしくね、モルジアナちゃん」
「……よろしくお願いします」
心なしか、モルジアナはいつもより機嫌が悪そうな様子だ。
「おーい! トトたちも挨拶…って、あれ? いねぇ。どこ行ったんだあいつらー?」
アリババは周りをキョロキョロと見渡すが、仲間の姿はない。
「わりーな、マリア。また今度紹介するよ。すげー良い奴らだからさ。あ、やっべ! 俺用事あったんだった! またな、マリア!」
そう言うと少年は、美しい金色の髪をなびかせながら去って行った。
マリアはアリババの姿が見えなくなるまでうっとりした顔で見つめていた。
その背中を、ルカがぽん、と叩く。
「まあなんと言うか…お前が取られるのは複雑な気持ちだが…応援するよ、マリア」
「そうね。彼、良い人そうだし。私たちが全力でサポートするわ!」
レイラとルカはうんうん、と頷き合っている。
「ふぇ…?」
当のマリアは不思議そうな顔をしていた。
第53話 力不足を感じる今日この頃→←第51話 運命の出逢い(別に食パンくわえて角でぶつかる訳ではない)
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真冬(プロフ) - いいえー。更新頑張ってくださいね(о´∀`о) (2015年7月2日 11時) (レス) id: f157971441 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - 真冬さん» なるほど…レイラさんは大人の色気、フィアはツンデレラブリーですもんね! ありがとうございました。 (2015年7月2日 7時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
真冬(プロフ) - お久し振りです(*´ω`*)そうですね、やっぱり、紅炎様 ファンなので紅炎様ですね。あ、でもレイラさんとフィアが、好きです。続き、楽しみにしてますよ(о´∀`о) (2015年6月26日 22時) (レス) id: f157971441 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - 真冬さん» 「頑張って」の一言だけでも十分嬉しいですよ! ホント、真冬さまは神様です! ありがとうございます! (2015年6月21日 18時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
真冬(プロフ) - ちぇりいさん» 返信遅れましたが、今回もまた続きが気になりますね♪何か、頑張ってくださいしか言えてないのですけどごめんなさい。だけど、とっても応援してますよ( v^-゜)♪ (2015年6月21日 11時) (レス) id: f157971441 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年5月30日 0時