第8話 ついに歌姫の実力、発揮! ページ10
ルカが慌てて前に出たマリアの腕を掴む。
「何をしている。危ないからお前は下がっていろ」
その手を振りほどき、マリアは鋭い眼光でルカを見つめる。
「大丈夫。ここは私に任せて」
マリアはスカートのポケットから十字架のような物を取り出すと、口元に近づけて歌を歌い始めた。
まるで、天使のような美しい歌声だ。辺りのルフがざわめき、彼女の周りに集まる。
ルカたち4人は、突然の出来事に驚いていながらも、彼女の歌に聴き惚れていた。
やがて、暴れていた木は動きを止め、元の切り株に戻った。フィアもそれに座ったまますとん、と着地し、へなへなと地面に座り込んだ。
マリアは切り株を優しく撫で、小さな声で呟く。
「突然フィアが座ってびっくりしたんだね。もう大丈夫。驚かせちゃってごめんね」
切り株はもう完全に動かなくなった。
マリアの元へ、4人が駆け寄ってきた。
「すっごいよマリア! お歌、じょうずだね!」
メイが興奮気味に言う。
「ありがとう」
「マリア…お前が先程持っていた十字架は、神具だな?」
ルカの言葉に、彼女はきょとんと首を傾げる。
「しんぐ…って何?」
「お前は本当に知らないことが多いな…」
さすがのルカも、どう説明していいかわからず、頭を悩ませている。
それを察したのか、レイラが説明を始めた。
「マリアちゃん、金属器のことは知ってるわよね?」
「はい…。迷宮を攻略すると、攻略者の金属に力が宿るんですよね?」
「そう。その力はあまりにも強大すぎるあまり、人々は攻略者を恐れ、崇拝した。だから、今の世界では金属器使いが権力者となって国と人々を治めている。今栄えているどこの国にも金属器使いがいるわ。レーム帝国、七海連合、そして煌帝国。何も力をもたない国はすぐに滅びていった。
そんな状態を悲しく思った聖母マリア様が、金属器の力に対抗するため、特殊な力を込めた武器を作ったの。
その名は神具。マリア様は、自身の膨大な知恵と力を総動員して神具を見事完成させた。
けれどもマリア様は、金属器と同等の力を持つ武器を生み出したせいで、権力者たちに命を狙われたの。
彼女は殺される前、神具だけはなんとか部下たちに持たせて彼らの手には渡さなかった。
それで、神具は各地に散らばって、偶然私たちの手に渡ったの」
マリアは、話が終わるまで一言も口を挟まずにレイラの話に聞き入っていた。
第9話 題名が思い付かなかった回→←第7話 まさに定番! モンスター現る!
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
75人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです! (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます! 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします! (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです!続き楽しみです!頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい! 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます! (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年3月1日 9時