第40話 Pray for happiness ページ49
演説終了から数時間後―――
投票時間が終わり、ステージ上には司会者と立候補者たちが集まっていた。そこにルビソンの姿はない。
「皆さん、大変長らくお待たせいたしました。開票が終了しましたのでお知らせいたします。
今回のアステラス王国国王選挙当選者は…
みなを感動の渦へと巻き込んだ奇跡の歌姫、マリアに決定しました!」
司会者が高らかにそう告げると、民衆から大きな歓声が上がった。
マリアは、壇上で他の立候補者たちからも称賛され、満面の笑みを浮かべている。
そこへ、彼女の大事な仲間たちがやってきた。メイはステージに飛び乗ると、一番にマリアに抱きつく。
少女は4人の顔を見て、安堵の表情を浮かべた。
「おめでとう、お嬢さん」
ふいに後ろから声が聞こえたので振り向くと、そこには演説前に控え室で話した男性が立っていた。
「君なら、きっとこの国を変えられる。頑張るんだよ。
いつまでも応援しているからね」
マリアは、その言葉に力強く頷く。
思えば、アステラス王国に戻ってきてからたくさんの人に色々なものをもらった。
メイは優しさをくれた。フィアからは溢れるほどの自信をもらった。ルカからは決断力を学んだ。レイラからは今まで享受したことのない、特別な愛情を受け取った。
マーサは強さというものをわからせてくれた。ターリンの街の人達は、国を変えるという勇気を後押ししてくれた。そして、娘を亡くした男性は、自分に期待してくれた。
(みんなが私を支えてくれた。今度は私の番。
…この国を、絶対に救ってみせる!)
マリアは、澄み渡る雲一つない青空を見上げて、新たな決意を胸に固めた。
その頃、アステラス王国国境。
国境を越えて逃げようとしたルビソン・マーティンは、煌帝国の練紅炎と練紅明、その眷族たちに囲まれていた。
「此処におられましたか、ルビソン殿」
練紅明が紳士的ににっこりと笑って語りかけるが、その声には覇気が含まれている。
「あ、あの…本当に申し訳ありませんでした…」
「随分とお疲れでしょう。
どうぞお休みになって下さい。煌帝国の地下牢で」
その瞬間、ルビソンの表情が凍りついた。
「丁度良かった。我々も今から本国へ帰るところだったのですよ。一緒に行きましょう。ルビソン殿」
紅明がそう言って踵を返すと、口をぱくぱくさせながら放心しているルビソンを、紅炎の眷族がひょいと持ち上げた。
煌の船は、新たな野望を乗せて、東へと帰っていった―――――。
To Be Continued…
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
75人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです! (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます! 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします! (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです!続き楽しみです!頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい! 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます! (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年3月1日 9時