第35話 To a lost lamb relief ページ44
演説が始まってから、2時間程経過した。特に何のアクシデントもなく、順番が回っていったのだが…
一人の男の登場により、その場の空気は一変した。
彼は甲高い声を張り上げ、大袈裟な身ぶり手ぶりをしながら、詐欺師のように国民に語りかける。
「皆さん、こんにちは。私は政治のカリスマ、ルビソン・マーティンです!
アステラス王国の国民の皆さん……今、この国は貧しい! よって、国の形態そのものを変えなければなりません!
そこで1つ、私に提案があります。それは…
近年類を見ない軍事力と経済力で中原を制覇した、煌帝国の傘下に入ることです!」
ルビソンがそう言った瞬間、集まっていた民衆が一斉にどよめいた。
「煌の傘下に入れば、皆さんは安全な生活を手にすることができます。衣類も、食事も、仕事も、そして住居も! あらゆるものを煌帝国が保障してくれるのです! そして、煌の傘下という名目があれば、他の国々も攻めてきません。まさに良いことづくし! 皆さんはただ、煌に言われたことに従って生きていくだけで良いのです。
幸せな生活を送りたければ、どうぞこのルビソン・マーティンに投票することをお勧めしますよ。
…国民の皆さんの賢明さに期待しています」
格好つけた決め台詞を吐き、嵐のような男はステージを後にした。
ルビソンが去った後も、民衆のざわめきは収まらなかった。
「どうする…?」
「傘下に入れば、今よりも良い暮らしができるのね…」
「俺たちには何もできねぇ。ルビソンに投票するしかないのか…?」
「もう、これ以上家族を失いたくない…」
すぐに次の立候補者の演説が始まったが、民は聞く耳を持たなかった。
ステージ裏には、演説を終え、がっくりとうなだれた者たちが次々と戻ってくる。
「まずいな…国民の気持ちが完全にルビソンの方へと傾いている。このままでは…」
マリアたち一行も、深刻な面持ちで出番を待っていた。
彼女の出番は、刻一刻と迫り、ついにマリアの前の立候補者の演説が始まった。
第36話 全ての人に、幸せを。→←第34話 友と選挙とチョコレート
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ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです! (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます! 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします! (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです!続き楽しみです!頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい! 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます! (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年3月1日 9時