第34話 友と選挙とチョコレート ページ43
サンベルクの巨大な街広場には、ステージが設置され、もう既に多くの民衆が集まって、選挙最終演説の開始を、今か今かと待ち構えていた。
昼食を終えて戻ってきたマリアたちは、そのスケールの大きさを目の当たりにして驚いている。
「演説には人いっぱい来るのね」
フィアが昼食をとった店で貰ったチョコレートを食べながら言う。
「今日は投票日だからな。恐らく、アステラス王国の都市部に住む殆どの者が足を運んでいるだろう。当選者でこれからの国の行く末が決まるんだ。さすがに放ってはおけないだろう」
「ほんとだねー。広場に人はいりきってないもん!」
メイは可愛く背伸びをして街の様子を眺めている。
5人が談笑していると、リーンゴーンとお約束の鐘が鳴った。これは、演説開始の合図だ。
「始まるぞ。ステージ裏に行こう」
◇◇◇
裏では、立候補者とその仲間達が、演説の練習をしたり、深呼吸をしたりしていた。大人でも、あれだけ大勢の前に立つのは緊張するようだ。
ちなみにルビソン・マーティンは、出番まで別の部屋でくつろいでいるらしい。全く良いご身分である。
マリアが席に座って演説の原稿を確認していると、隣に座っていた優しそうなおじさんが話しかけてきた。
「お嬢さん、いくつだい?」
「じゅ、16歳です!」
男性に話しかけられたので、思わず力んでしまうマリア。
「そうかいそうかい。若いねぇ。実はね、私にも娘がいたんだよ」
「…いた?」
「亡くなってしまったんだ。数年前、スラムで伝染病にかかってしまってね。生きてたら君と同じ歳かな。亡くなった妻が遺してくれた大事な娘だった…」
「………」
突然の悲しい話に、マリアは何と答えたら良いかわからなかった。
「私は、アステラス王国を昔の状態に戻したいんだ。煌帝国に干渉される前の、平和で豊かな国にね。
…そろそろ出番だ。行ってくるよ」
男性は、儚げに微笑んで席を立った。
その背中を、マリアがふいに呼び止める。
「あのっ!」
「…?」
「私もっ…同じ気持ちです! 私も、アステラス王国を救いたいです! だから…
頑張ってください!」
マリアが、精一杯の気持ちを込めてそう言うと、男性はもう一度笑顔を見せ、壇上に上がっていった。
※題名は知る人ぞ知るゲーム(アニメ)のパロです。チョコが無理矢理すぎる…
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ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです! (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます! 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします! (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです!続き楽しみです!頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい! 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます! (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年3月1日 9時