第29話 選挙、今度こそ始まります！ ページ34
マリアとレイラがいちゃついていると、しばらくして二人以外のメンバーが起きてきたので、宿屋の前で皆で気合いを入れた。
「わたしたちいちどうは」「当選を目指して」
「努力を惜しまず」「全力で戦い抜くことを」
「誓います！」
ちなみに、これを言った順番は、メイ、フィア、ルカ、レイラ、マリアである。
「ふん。なんかこーゆーのガキっぽいわね」
言い終えた後、フィアはプイッとそっぽを向いて大人ぶった。メイは、ワクワクしているようで、一人で躍り回っている。
「たのしいじゃん！ いかにも選挙ってかんじで!!」
「あんたはなんでも楽しいんでしょうが…」
ルカが、選挙活動に使うたすきや旗などが入った荷台を運ぼうとする。
「…では、準備も済んだことだし、街広場に行くか」
「あ、ルカは休んでて良いんだよ!?
疲れてるでしょ!?」と、マリア。
「いいや、私だけ休んでいる訳にはいかない。私もマリアの当選のために尽力させてもらう」
「無理は禁物だよ！ とりあえず荷台は私とレイラさんで運ぶから！」
「…では、お言葉に甘えるとするか」
◇◇◇
ターリンの街広場では、小さな子どもが遊び回ったり、たくさんの市場が開かれたりしていた。
「なんだか、随分と賑やかな街ね…」
「この街は他と比べて治安も良いからな。人々が飢えていないから、犯罪も起こらないのだろう」
「わたしがいた村とは、別世界みたい…」
メイは、楽しそうに駆け回る子どもたちを見て、寂しそうな表情を浮かべていた。
貧しくて満足に食事も得られず、疫病でバタバタと村人が倒れていった農村にいたメイにとっては、この光景は少し辛いのかもしれない。
一通り街の様子を眺めると、マリアたち一行は早速選挙活動を始めた。
「こ、今回のアステラス王国国王選挙に立候補した、マリアです…」
自分の名前がでかでかと書かれたたすきを掛けたマリアは、小さな声でボソボソと呟いた。もちろん道を行き交う誰にも聞こえていない。
「マリアちゃん。もっと大きな声で言わないと、ね？
よろしくお願いしまーす！」
レイラが美声を張り上げると、通行人が一斉にこちらを見た。
「なんだなんだ？」「また選挙か？」
一人の老婆が、マリアの方に近づいてくる。
「あんたが立候補者かい？ 随分と若いじゃないか。
…煌の傘下入りの前の思い出作りのつもりかい？」
「ち、違います…わ、私は、本気で国王を目指しているんです」
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ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (
レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです！ (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます！ 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします！ (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです！続き楽しみです！頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい！ 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます！ (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぇりい | 作成日時：2015年3月1日 9時
