第23話 思いがけない襲撃 ページ27
「マーサさ…」
マリアが後ろを振り向こうとした刹那――――
彼女の背中に鋭い痛みが走った。
「っ！」
マリアは突然の痛みに驚きつつも、自分を襲ってきた犯人に向き直ろうとしたが、うっかり足を滑らせ転倒してしまった。
倒れた自分の顔を覗き込んできた人物を見て、マリアは絶句した。
「あははっ。やっぱりどんくさいね。マリア♪」
赤みがかった茶色の髪をした、ボーイッシュな女性…マリアたちの旅に御者として付いていたマーサだったのだ。彼女は、手に鋭いナイフを持っていた。
「マーサさん…どうしてこんな事を…!?」
「マリア、私はね…暗殺者なんだよ」
「暗…殺者？」
「そ。表では腕の良い御者なんだけど、裏ではこうやって邪魔者を排除してるんだ。国の選挙関係のお偉いさん達からの依頼でね。
…ルビソンの票を奪う可能性がある何人かの立候補者は、もう殺したよ。
次はマリアたちの番。
本当は、旅の途中で会った盗賊達もグルだったんだ。案外簡単に倒されちゃってびっくりしたよ。あそこでマリアたちがやられてれば、私の出番は無いハズだったんだけどね」
ペラペラと自分の計画を明かすマーサを、マリアはただただ黙って見ているしかなかった。
(何を言っているの…？ マーサさん…これは、夢？ だって、マーサさん、あんなに優しかったのに…)
「てゆー訳で、裏で私が一人ずつ消していくことにしました。まずは一番弱そうなマリアからってね☆ 次はメイかな。でも、あの娘占い使うから手強そうだな…」
マーサは、ブツブツとそんな事を言いながら、マリアに再び刃を向けてきた。
その一撃をマリアはかろうじてかわし、マーサと距離を取る。
自分に戦闘が無理な事はわかっているので、一旦ここを離れ、ルカたちを呼びに行こうとしたが、体が思うように動かない。
「やっと効いてきたんだね。毒」
「!?」
(まさか、さっき刺された時に…)
マリアは、痺れた体を押さえながら、何とか立っている状態だった。
その様子を、マーサは笑いながら見ている。
「ねえ、なんでマリアたちは国を乱そうとしてるの？」
「な…私たちは、そんな……
国を、煌帝国から守ろうとしているだけです…」
「でも、煌の傘下に入れば、アステラス王国の国民は皆、飢えずに暮らせるんだよ？ 服も、食べ物も、安全な住居も、全部あっちが恵んでくれる。しかも、他国が攻めてきた時には、煌が守ってくれるよ」
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ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (
レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです！ (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます！ 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします！ (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです！続き楽しみです！頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい！ 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます！ (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぇりい | 作成日時：2015年3月1日 9時
