第21話 悪を裁くことは我らの使命か? ページ25
「いやー、皆すごいね! 全員怪我なしで盗賊たちを撃退するなんて!」
側で戦闘を見ていたマーサは、ルカたちの戦いぶりを見て感心している。
一方、マリアは微妙な顔をしていた。
「…確かにこの人たちは悪い人たちだったけど…
殺したりしてよかったのかな」
それを聞いて、皆は苦い顔をするが、ルカは血の付いた槍を手入れしながら淡々と言った。
「この男達は盗賊だ。きっと、今までもこの通りで旅人を待ち構えては売り飛ばしていたんだろう。生かしておけば、これからもどんな悪事を働くかわからない。それに、牢屋に送ってもどうせ死罪だ。向こうで惨い殺し方をされるくらいなら、私達が一瞬で楽にしてやった方が良い」
「…」
「マリアちゃん。世の中には、倒さなければならない悪がたくさんあるのよ。力を持っている私たちの使命は、それを成敗することなの」
マリアはレイラにそう諭されても、俯くばかりだった。彼女は、争いが嫌いなのだ。だから、前にフィアが危険生物に襲われた時も、自分の歌で生物の心を静めたのだ。
「ごめんね、みんな。私のせいで、空気を悪くしちゃって。
皆、すごく強くてびっくりしたよ。
守ってくれてありがとう」
マリアが微笑みながらそう言うと、ルカたちもほっとしたように笑った。
盗賊たちの遺体を処理すると、一行はまた馬車に乗り込んだ。
それから、一月程経過した。
盗賊からの襲撃が止むことはなく、多い時は1日に5回も遭遇した。
メイやフィアたちは、アステラス王国の治安の悪さを知っていたのだが、長い間国を離れていたマリアは、母国の今の現状を知って、酷くショックを受けていた。
盗賊たちは、意味もなく盗みを働いているのではない。貧しい暮らしから抜け出すために、仕方なく手を汚している者も多いのだ。現に、一行が遭遇した盗賊の中には、女子供もたくさんいた。
マリアは、死んだ盗賊一人一人に花を添え、祈りを捧げていた。
(私がこの国を変えるから…そのときにまた生まれてきてね)
第22話 選挙、始まります?→←第20話 髭もじゃのおっさんたちは旅につきもの
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ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです! (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます! 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします! (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです!続き楽しみです!頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい! 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます! (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年3月1日 9時