第20話 髭もじゃのおっさんたちは旅につきもの ページ24
出発してから、2時間程立った時―――
突然マリアたちが乗っていた馬車が、急ブレーキで動きを止めた。
「どうしたんですか!?」
5人が慌てて馬車から降りると…
目の前に、髭もじゃの悪そうなおっさんたちがニヒヒ、と下品に笑いながら立っていたのだ。手には、巨大な鎌や斧を持っている。
「あちゃー、また盗賊か…。こんな治安が悪いとこ通るんじゃなかったな…。ごめん、皆」
マーサは、頭を抱えている。
「うへへ。可愛い女たちだぜ。こりゃあ今回の収穫は成功だな。売り飛ばす前に楽しむとするか」
盗賊たちは、マリアたちの体を上から下まで舐め回すように見ながら言う。
「大丈夫だ。こんな連中、返り討ちにしてくれる。丁度私も、腕がなまっていたところだ」
ルカは、対して動揺もせず、それどころか、少し口の端を吊り上げていた。
「あぁ!? 嬢ちゃん、俺たちとやるってのか!? なら相手してやる――」
「悪役らしい最期だったな」
「…え?」
ルカに向かって鎌を振り上げた男は、首から激しく血を吹き出して倒れた。瞬速で回り込んだルカに槍の先端部分で急所を突かれたのだ。
あまりにも一瞬すぎる出来事に、他の盗賊たちは驚きを隠せなかったが、すぐにルカを仕留めに来た。
「この女!」
真正面から斬りかかってきた男の頭に、槍に付いた鉄球をぶち当て、後ろから攻めてくる相手を後ろ足で蹴り飛ばし、反対側の尖った部分で胸を抉る。
「くそっ…なんでそんなばかでかい槍持ってるくせに、速く動けるんだ!?」
「お前たちとは鍛え方が違うからな」
髭男たちは、ルカの槍術の前に、為す術もなく倒れていく。
残った盗賊たちは、あまりの力量差を前に戦意を失い、逃げようとした。が、その足を薄いシルクの様なリボンが捕らえる。
「一人も逃がすわけにはいかないわ」
そのリボンを操るのはレイラだ。
「んだよこの紐は! 切れねぇじゃねえか!
くそ、動けねぇ…」
「フィアちゃん、後はお願いね」
「任せなさい」
フィアがレイラの指示に従い、矢を放とうとすると――――
「フィア! 後ろの木にまだおじさんがかくれてるよ!」
突然、メイが水晶に手をかざしながら叫んだ。
彼女の占いの能力だ。
「了解!」
フィアは、くるりと体の向きを変え、焦って木の陰から出てきた男の心臓を射抜いた。
やがて、レイラが拘束していた男たちの方に向き直ると、
「せいぜい地獄で自分の罪を懺悔しなさい」
そう言って弓を引き、一人一人の胸を貫いた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです! (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます! 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします! (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです!続き楽しみです!頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい! 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます! (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年3月1日 9時