第19話 旅立ちの日 ページ22
眩しい朝の光が差し込み―――
一人の美しい女の声が部屋中に響き渡った。
「皆、朝よ！ 起きなさい！」
彼女は鍋をお玉でカンカンカンカン、と鳴らしている。
その音があまりにもうるさいので、毛布に潜り込んでいたもぐら(!?)たちが次々と目を覚ました。
「ふわぁ〜。何言ってんのよレイラ。まだ夜明けじゃない」
お姫様の様なふかふかのベッドから起き上がったフィアは、長い睫毛に囲まれた目を擦りながら言う。
他の皆も、ふあー、と可愛らしく欠伸をしている。
「はぁ〜…。皆、昨日言ったこと忘れたの？
今日から選挙活動のために国中を回るから、早起きして旅立つって言ったじゃない。
さ、皆。準備よ準備！ 長旅になるから、支度はきちんとね！」
◇◇◇
マリアが自分の歯ブラシをどこに置いていたか忘れて慌てて探したり、フィアがやけに美容液やヘアオイルをたくさん持っていこうとしたり…色々とバタバタしながらも、5人は準備を済ませた。
「フィアちゃん。良い女は荷物をコンパクトにまとめるものよ。そんなに色々持っていっても、旅先でどれを使ったら良いか迷うでしょう？」
「た、確かに…さ、参考にしてあげるわ！」
なんて会話もあったりした。
マリアたちが、荷物を抱えて家の外に出ると、既に迎えの馬車が到着していた。
レイラが雇ってくれたのだ。
脇には、赤みがかった茶色の髪をした元気な感じの女性が立っている。
「皆さんこんにちは！ 今回の旅で御者を務めさせていただく、マーサでーす。あ、御者って言うのは馬車の運転手のことね。結構長い期間一緒になると思うから、よろしく」
マリアは、彼女を見て安堵の表情を浮かべる。
「よかったぁ。女の人だぁ…」
御者というのは、大抵男性が多いのだ。
レイラは、マリアが男性が苦手であるという事も考慮しつつ、長旅になるので腕の良い御者を選んだ。
「しかし、まだ若いのに長期御者を任されるというのは、すごいな」
ルカはマーサを見つめながら感心している。
「あはは。まーね！ でもこー見えて、この仕事結構長いんだよ？
…さ、乗った乗った！」
マーサが皆に馬車に乗り込むように促すと、皆次々と乗って言った。
「出発進行！」
若い御者が元気良く叫んで、馬に鞭を当てると、馬車は勢い良く走り始めた――――。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (
レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです！ (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます！ 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします！ (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです！続き楽しみです！頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい！ 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます！ (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぇりい | 作成日時：2015年3月1日 9時
