第17話 歌姫と愉快な仲間たち ページ20
その日の夜、マリアは星空の下で一人考え込んでいた。
(どうしよう…私が立候補するなんて…)
実は、彼女は極度の人見知りなのだ。メイたち4人と出会った当初は、彼女たちがとても親切にしてくれたおかげで、なんとか心を開けたようだが…。
そんなマリアに立候補者の役割は到底無理である。何故なら、嫌でも多くの人間と関わらなければならないからだ。
立候補者の役目は大きく分けて、二つ。
選挙日まで国中を回り、自分の存在をアピールする事と、選挙当日に大勢の国民の前で演説する事だ。
幼少期、何をやっても母親に認めてもらえなかったマリアは、自分の殻に籠るようになり、人と関わることを無意識に拒絶していた。
そんな彼女の唯一の救いは、歌だった。
皆が寝静まった夜、こっそりとスラム街を抜けて、誰もいない海辺でいつも歌を歌っていた。
小さい頃を思い出すように、マリアは星空を見ながら歌った。
1フレーズ歌い終えると、後ろからパチパチとまばらな拍手が聞こえた。
マリアが振り返ると、そこには大好きな仲間たちが微笑みながら立っていた。
「勝手に聴いてごめんなさい。
…でも、マリアちゃんの歌声って、やっぱりすごく癒されるわね」
マリアは、照れくさそうにはにかんだ。
「いえ、そんな…。ありがとうございます、レイラさん」
「マリア。昼間はすまなかった。お前の意見をろくに聞きもせずに、勝手に事を進めてしまったな。だが、私達は本当にお前に可能性を感じている。
約束する。選挙は、全力で私達がサポートする。大事な仲間に辛い思いなど、絶対にさせない」
ルカが手を差し出すと、マリアはその手を両手で包み込んだ。
「うん。わかってる。みんな、色々考えてくれたんだよね。
…私も約束するよ。
私、頑張る。みんなの気持ち、無駄にしない。
この国が大好きな他の人たちのためにも。
選挙で当選して、アステラス王国をみんなが笑って暮らせる国にするよ!」
マリアがそう言って、感動ムードになったと思われたが…フィアのお腹がぎゅるるる〜、と鳴った。
皆、一気に気が抜けて、笑い始めた。
「もう、フィアってば…だいなしだよー!」
「うるっさいわねメイ! だ、大体、マリアが一人で悩んでご飯作らなかったのが悪いんだから!
ほら、あたしの召し使い、早く支度しなさいよ!」
フィアがそう言って踵を返すと、皆その後に続いて家に帰って行った――――。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
75人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです! (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます! 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします! (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです!続き楽しみです!頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい! 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます! (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年3月1日 9時