奇跡の歌姫は世界を救う!? 【練紅炎】

第11話　説明編はこれにて終了 ページ13

「最後は私の神具ね。これよ」
レイラが自身の腰のベルトの様な物を指差した。

「これが…神具？ どうやって使うんですか？」
マリアが可愛らしく尋ねると、レイラは腰からベルト――ではなく、リボン状の物を外した。
先には十字架らしき物が付いている。

【神糸ラブガレア】
リボン状の神具。伝説と呼ばれた大型グモ「グランザイア」の糸を素材としているため、余程のことがない限り断ち切れない。
戦闘ではリボンの長さを自由に変え、敵を拘束することができる。
シンプルな神具である為、使用者の知恵と頭の回転が勝負となる。
聖裁はリボンに触れた生物を一瞬で石化する
瞬間石化(ラブーガ・トレシャス)。
尚、この聖裁は使用者の意思で解くこともできる。

レイラはこの神具を、スラムの闇市で見つけたらしい。

「今気づいたけど…神具はどれも十字架を基調としたデザインなんだね…」

マリアが皆の神具をまじまじと見つめながら呟いた。
確かにそうである。マリアとレイラの神具は、持ち手そのものが十字架。メイ、フィア、ルカの3人の神具には、十字架の美しい紋様が刻まれている。

ルカはふと、遠い目をして答える。
「ああ、そうだな。これは神具特有のものだ。金属器や魔法道具には付いていない。
私は、これに聖母マリア様の平和な世界を願う意思が宿っているのではないかと考えている。
彼女はきっと、死後ずっとこの十字架を通して使用者たちを見守ってきたんだろう。
だが、誰一人として、平和を築く事はできなかった。私たちが、風向きを変えよう。神具使いが5人も集まったんだ。やり遂げられるさ」

マリアとレイラはうんうん、と頷いていたが、まだ子供のメイとフィアは首を傾げていた。

「…ルカのおはなし、よくわかんない…」

「あたしも、微妙…」

レイラはそんな二人の頭を一緒に撫でる。
「要するに、頑張ろうってことよ」

少女(レイラは違う)たちは、決意に満ちた表情で空を見上げていた。

第12話　煌帝国、上陸。→←第10話　題名？ そんな物はない

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