君をさがしてた。～pastel days～ (ページ46)

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-ver.wine red- 10 ページ46

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龍友の言葉を聞き逃さなかったAはムッとした顔をして言い返す。

「龍友くんはもっとバケモノに近付いた方がいいんじゃないの。じゃないといつかけちょんけちょんにしちゃうから」

龍友「けちょんけちょんって可愛いなw」

「…。もう絶対龍友くんと飲まない」

龍友「ごめんって、ははっ、」

本格的に拗ねたAの隣でそれに気にした様子もなくお酒を飲み進めている龍友。

反対隣の将吉に「いやマジでA俺の知ってる女子の中で最強だわ」とまで言われていよいよAの不機嫌メーターは頂点付近まで到達しそうだった。

「……(別にやりたくてゴリラメニューやったわけじゃないもん。)」

AKIRAさんのペースに乗せられてやってしまったが、これ以上筋肉つけたら本当に女性らしい体付きではなくなってしまいそうで不安なのだ。(実際はそれほどマッチョではない)

敬浩「ああ～Aの柔らかい肌触りがなくなってく～泣」

「きもい。私そんなに敬浩くんに肌触らせてない。」

不機嫌で少し口調がキツくなってしまう彼女の顔を見て斜め前に座っていた広臣が、

広臣「俺は今の抱き心地が、丁度いい柔らかさだと思います」

フォローのつもりかなんなのか、そう言い放った。
まさかそんな言葉が広臣の口から出ると思っていなかったその場は静まり返り、その中でも一番ギョッとしたのはA。

「……」

広臣「なんだよ」

「抱き心地とか、意識してたんですか」

広臣「そこ？別にするだろ、抱いてんだから」

敬浩「ち、ちょ、ちょっと待って？！ふ、二人は…え、あの、待って、つまりあの

…こう、こうしたの？！」

両手の指をぐちゃぐちゃに交えるジェスチャーをした敬浩に、なんだそれと思ったAであったが、言いたいことはなんとなく伝わった。

「なに考えてんの変態」

敬浩「だ、だって！抱いた抱かないって…！」

広臣「ああ、だから、ハグですよ。セックスじゃなくて、ハグ」

飄々とそう言った広臣に、お前絶対確信犯だろ！と心の中で突っ込みを入れる敬浩。

「普通はそう考えるでしょ…どんだけ頭の中ピンクなの？」

Aは敬浩に対してドン引きを通り越して心配の顔を向けた。
しかし、

(臣が言うとただ事には聞こえないんだよ！)

そう思ったのは敬浩だけではなかった。

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