SS1-3 ページ21
.
「……」
隆二「…呼ばないとチューすんぞ」
中々反応を示さないAに痺れを切らし強行手段に出る隆二。
こうすれば否が応でも下の名前を呼ばざるを得ないだろう。
隆二(まあもし、Aが俺とキスしたがってるとしたら話は別だけど…)
その時はまあ、俺も男だし。
なんてあるわけねえけど。と隆二が思ったその矢先、
「…いまいち。」
確かにAの口からそう聞こえた。
隆二「は?」
こいつ今、苗字だった?
え、俺とキスしたいって事でいいの?ガチ?
じゃあまさか 気になってるメンバーって…俺のこと?
Aが短くつぶやいた言葉に 呆気にとられ三つ編みをする手が止まる。
強行手段として言った言葉にまさかの自分がやられているなんて。と、混乱と悔しさが入り混じっている隆二。
…一方のAの方は、そんな固まる隆二にバレないよう、小さく上がる口角を隠した。
「いまいちですよ、この三つ編み。隆二さん不器用ですね」
テーブルに置いてあった手鏡を手に取り自分の頭を確認してそう続けたA。
隆二「え、なに」
「だから イマイチですこれ。やっぱ外しましょう」
数本に渡って適当に編み込まれていたそれを一つ一つ丁寧に解いていくA。
隆二はAが何を言っているのか理解するのに数秒かかり、呆然と彼女の横顔を見つめていた。
「…もしかして、キス出来ると思いました?」
隆二「っ、な、何言ってんだお前…!」
「そうゆう顔してますよ。隆二さんも十分、馬鹿正直です」
表情の乏しいAの顔に 薄っすらと悪戯っ子のような笑みが現れて。
「……(やられた…)」
まさかAにしてやられると思っていなかった隆二はショックで完全に言葉を失った。
(おはよー。あー、Aなにその頭笑)
(隆二さんにイタズラされました)
(うけるwwおはよう隆二さん!)
(あ、ああ…おはよう岩ちゃん)
(…え、どうしたんすか?)
(ーーAって、意外に小悪魔?)
(Aが小悪魔?!ww あいつそんな器用じゃないっすよwww)
( “じゃあ俺が見たAってなんだったの…” )
隆二にしか見せないある意味特別なAの姿。
SS-小悪魔- 了
.
1944人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「LDH」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とまと野郎 | 作成日時:2014年12月6日 12時