第二話 ページ3
朝食を終え、何とか状況を把握し終えた。
此処は国、つまり日本政府が運営する孤児院の一つらしい。
僕は今世でも、実の親の顔を見ることは叶わなかったようだ。それだけは少し残念に思う。
「Aちゃん何処にいるの〜?もうすぐ新しい親御さんがお迎えに来るわよ〜。」
新しい親だと!?
これは予想外だった。僕には既に引き取り手がいたのか。まぁ大勢の幼児に囲まれて生活するよりかは幾分かマシだろう。
僕は孤児院の女の声がする方へ歩いていった。
______
「来たわねAちゃん。こちらの二人が貴女の新しい家族になるのよ。」
孤児院の女と共にいたのは、優しげな雰囲気の茶髪の女と、引き締まった体型の金髪の男だった。
「こんにちわ〜Aちゃん。お迎えに来たわよ。
私は沢田奈々。今日からAちゃんのママになるから、どうかよろしくね!」
「俺はお前のパパになる沢田家光だ。
もう一人お前の兄妹になる奴がいるんだが、今は保育園でな。帰ったら紹介するぞ!」
なんと言うか……この男はよく沢田奈々と結婚出来たなと思う。
いや、深い意味はない。雰囲気がいかにも美女と野獣といった感じだったので困惑しただけだ。
「それじゃあAちゃんをお願いします。」
奈「えぇ!もちろん大切に育てます!」
家「任せろ!強く育ててやる!」
孤児院の女に別れを告げたあと、僕たちは孤児院を後にした。両手は奈々と家光に繋がれている。
その温もりを感じて、親とはこのようなモノなのかと考えていた。
______
「ただいまぁ〜!」
家「おう!おかえり綱吉。もう来てるぞ、お前の妹がな!」
「えっほんと!?」
二人に連れて帰られた家で待っていれば、奈々と一緒に男児が帰ってきた。
この《綱吉》という男児が先程言っていた僕の兄になる人間なのだろう。
男なのに女のような可愛らしい顔立ちをしている。
因みに何故、綱吉が兄かというと、綱吉の誕生日は10月14日、僕の誕生日は前世と変わらず3月1日。
つまり早生まれな為に綱吉の妹という立場になったのだ。ただし、学校での学年は同じらしい。
綱「こんにちわ!ぼくは、さわだつなよし!」
貴「……さわだA。」
綱「よろしくね!」
こうして二度目の人生でも兄が出来た。そして新たに両親も。
まだ慣れないが今世でも、兄と両親は守っていきたいと思う。
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ゆきな(プロフ) - リング戦つよそうやな… (2020年5月26日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
ベアトリー - いつかかえって来てくれるのを待っています。楽しみにしています。 (2019年9月23日 16時) (レス) id: 48ec9c7d08 (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - 作者の十七夜です。更新しようとしたところ、何故か占ツクのデータが消えてしまい、ログイン出来なくなってしまいました。おそらく、復旧は難しいと思われます。楽しみにしていただいた皆様に大変申し訳ないのですが、一旦更新をストップしようと思います。 (2019年9月21日 9時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
wayu0112(プロフ) - 面白いです!楽しみにしています。 (2019年6月15日 21時) (レス) id: bed71cde77 (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - 零斗さん» ご期待に添えるよう頑張っていきます!ありがとうございます! (2019年6月9日 8時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十七夜 | 作成日時:2019年5月2日 17時