【ジョジョの奇妙な冒険】殺人鬼と白雪姫

15.混乱、人集り ページ16

ついさっきまでぼくが手を引いていたのに、いつの間にかAが先へ先へ進んでいる。そんなに急いでは転んでしまう。
背の低い少女に手を引かれて歩く中年というのは、はたから見たらなかなかに滑稽なものだと思う。まるで親子だ。そう。周りから、ぼくたちは仲睦まじい親子に見えているのだろうか。お転婆な娘と、捻くれた父親に見えているのだろうか。
ぼうっと考えていると、また彼女に心配されてしまう。はっと意識を目の前に戻すと、Aの帽子が何かの拍子に落ちてしまったのだろう。雪のような髪が露わになっている。周りの人間はそれを化物でも見るような眼で、遠巻きに眺めている。彼女の紅い眼を、白い髪を、ひそひそ話しながら、それでも奇怪なめで。
その目は、彼女のものとはちがった。おなじ生き物が持っている部位だとは思えないくらい。Aは取り乱して、視線から一刻も早く逃れたいらしくて、必死で帽子を拾って、被り直した。
ぼくたちの周りには人だかりができていた。人間は愚かな生き物だ。珍しいもの見たさにすぐに、ここまでの人数が集結するのだ。莫迦じゃあないか。
ぼくが前にいた世界では見たことのない、彼女がよく触っている板のようなものをこっちに向けて、けたたましくシャッター音がなる。
ああああ、煩わしくて五月蝿くてしょうがないので、彼女の綺麗な手を引いてその人混みから抜け出そうと、震えるAに声をかける。
「A、」
「すみません、ごめんなさい、吉良さんは平穏がすきなんですよね」
此の期に及んで、彼女はまたぺこぺことお辞儀をする。
「いいんだ、いいんだ。それよりはやくここから」
「わかり、わかりました。吉良さ、手繋いでてくださいね」
彼女の声は、これ以上ないくらい震えて、明らかな恐怖が目に見えるようだ。
道端に捨てられた子犬のような、可哀想な紅い眼をぼくは一瞥してから、キラークイーンを呼ぶ。

この世界で、はじめて幽波紋を発現させた。
「キラークイーン」

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キラークイーンまじでかわいいですよね………
白瀬ちゃん可哀想だなあと思いました(KONAMI)
ジョジョASBの吉良さんがシアーハートアタックに弱点はない、って言う時めちゃくちゃいいですよね〜〜ちょうかっこいい

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