ドースバース【AU】【短編集】 (ページ10)

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『…ｹﾞﾎｯ、ｹﾞﾎｯ…あー…頭痛いー…』

折角今日はAちゃん帰ってくるのに、こんな時に限って症状悪化かよ…最悪。

薬は服と一緒に持っていかれたし…

てか、全然俺のボス助けに来ないじゃん…！？
俺見捨てられた感じ！？いやいや、俺はあんたの相棒なんだけど！

でも、まぁ、此処での暮らしも悪くない。

「…ﾁｯ、おいクランケ。薬飲め。」

…コイツさえ居なければね。

＊

『…それで、キラーは大丈夫なの？』

「大丈夫ですよ。あんなヤツ。ゴキブリ並みの生命力ですから。」

『はぁ、適当言わないで。』

どうやらキラーの症状が悪化したらしい。
…治療すべきか。

用があるのはキラーではない。極悪非道の彼のボス、ナイトメアだ。

アイツは仲間を売ったのかしら。

『マーダー、キラーの拘束を解いて。』

「…！？で、ですが奴は…」

『命令よ。』

そう言うとマーダーは一歩下がって小さくお辞儀し、キラーの元へ行った。

「おい、餓鬼。ボスのお情けだ。」

「誰が餓鬼だよ。雑魚。ｺﾞﾎｯ…お前なんかこの拘束具さえなかったらぶっ飛ばしてやるよ。」

あぁ、なんで二人はこうも相性が悪いんだか。

＊

俺はそいつの背後に回ると、鎖にかけられた南京錠に鍵を刺した。

ーカチッー

「…いｯ！？」

そして奴の自由になった両手を、ありったけの力で後ろ手に抑え、もう片方の手で背中にナイフを添わせた。

『…いいか、うちのボスに手を出したらただじゃ済まねぇからな。』

勿論彼女には見られていない。

「…へへ、俺病人だからw」

早く消えれば良いのに。