詰んだ。【nightmare】 ページ13
あれをするな、これをするな、触るな喋るな逆らうな。
みんなみんなこの力のせい。この力さえなかったら、こんな所に閉じ込められる必要なんてなかったのに。
私はドラッグ。世界的に希少な人種である。
そういった特殊な体、能力を手にしようと企み、ドラッグを攫ったり、売ったり買ったりを繰り返すこの町では、今日も当たり前のようにドラッグが引き摺り出され、売られていた。
私は売られたのではない。
ただ普通に家族や友達と幸せに暮らしていただけなのに。
私が何をしたっていうのだ。
拘束具はなかった。あちら側は相当逃げられない自信があるようだ。
「…よう、A…」
重い扉が空いたと思うと、私を閉じ込めた本人が現れた。
コイツに口答えしてはいけない。怒らせてはいけない。
…もう、うんざりだ。
コイツにも、この能力にも、私にも。
「…調子はどうだ?」
調子?あぁ、悪い。悪いに決まってる…!
…この間は喋るなと言われたのに…巫山戯てるのか。
『…良い、です。』
「…ほう、俺に嘘をつくのか。」
しまった。
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作者名:パル | 作成日時:2023年3月6日 21時