Adversity. ページ29
「……そ、っか。ありがとう、嵐くん」
動揺は笑顔の裏に隠した。
上手く笑えているかはわからないけれど。
引き攣っていないといいな。
「あら？もういいの？」
「うん、それだけ…だよ。
さ、ご飯食べちゃおう」
＊＊＊
嵐くんとはガーデンテラスで別れた。
用事があると伝えると彼は、また一緒に食べましょうね、と笑ってくれた。
午後の授業まではもう少しだけ時間がある。
私は足早にとある場所に向かった。
「……いないの？
ーー凛月くん」
ガーデンスペースを一人で歩き回った。
創くんが世話をする花壇の辺りから、ガーデンテーブルの方まで。
けれど、よりによって今日は彼の姿が見えない。
天気も良いし風も涼しいから、きっと此処にいると思ったのだけれど…。
先に別の誰かのところに行った方が良かったのだろうか。
そう考えていると、突然背後から体重がかけられて、私の身体の重心が前に傾いた。
「A…♪」
タイミングを見計らったみたいだった。
凛月くんが私に体を預けるように寄りかかる。
彼の腕が後ろからまわされて、お腹の前できゅっと組まれた。
「ふふ…来てくれる気がしてたよ」
楽しそうな声が、耳元で聞こえてきた。
「なぁに、寂しくなった？」
「…聞きたいことがあったの」
「……な〜んだ…つまんない」
彼が、あーあ、と声をこぼす。
興醒めだとでも言うかのように。
気だるそうに顎が私の肩に乗せられた。
黒髪が首に触れる。
彼のペースに呑まれる前に、私は意を決して言葉を紡いだ。
「凛月くんは、本当に私の彼氏なの？」
ずっと聞きたかったこと。
凛月くんは以前の私と付き合っていたのか。
泉先輩やレオ先輩とのことは知っているのか。
どうして同じユニットの嵐くんが全く知らないのか。
彼がもぞりと動いた。
「またその話？
Aは俺のこと信じてくれないんだ…？」
囁くような声が、私の鼓膜を震わせる。
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夜桜🌸 - 今まで見た小説で1番楽しんで読めました！！作者さん！楽しい小説ありがとうございましたm(*_ _)m (2023年2月6日 6時) (
レス) @page49 id: 3f775f21a2 (このIDを非表示/違反報告)
pomme Soleil(プロフ) - 凄い面白かったです！！読み始めた時は、推し(せないず)で終わってほしいな〜、って思ってたんですけど、まさか全員分のエンディングがあるとは、、。まじで嬉しみの極みです((。 (2018年3月15日 22時) (レス) id: aab43ef7a5 (このIDを非表示/違反報告)
直刃 - めっちゃ面白かったです！この作品を読み終わった後、ずっとぐるぐるとこのことを考えていました。私的に凄く好きな終わり方(end)でした！暫くはこの作品のことを考えていることでしょう笑 (2018年2月23日 22時) (レス) id: 461041a079 (このIDを非表示/違反報告)
心風(プロフ) - 読み終わった時、全てのエンディングが繋がってゾクゾクしました…！最後にここまで引き込まれ、気持ちよく読み切れた作品は初めてでした。ありがとうございました…！ (2017年1月3日 19時) (レス) id: ddc839403a (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 亜莉好@元矢澤ありすさん» ありがとうございます(*^ ^*)楽しんで頂けたようで…とても嬉しいです！素敵なコメントありがとうございました…♪ (2016年11月13日 0時) (レス) id: 3c2594a2bd (このIDを非表示/違反報告)
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