PARACAGE 2nd【ars】 (ページ4)

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39.買い出し。ページ4

「はい！そうします！」

他のドアの色とも被ってないし、さくら色なんて可愛い気がする。

「Aちゃんは、今日何か予定ある？」
「頼んでたローテーブルとチェストが夕方に届くんですけど、それまでは暇です」
「じゃ、ペンキ買いに行こ」
「え？一緒に？」
「うん。やだ？」
「いえいえ！助かります！」

この近所にホームセンターあるのかも知らないし、ペンキなんかどれ買ったら良いか分かんないし。
至れり尽くせり、本当にありがたい。

智さんを待たせたらいけないからお化粧はせずに眼鏡をかけて、モサっとなってた髪は適当にお団子にして服もパパっと着替える。

「お待たせしましたー」

玄関に腰掛けて待ってくれてた智くんが、振り返って「あたま可愛い」って言った。

「アハハー！またまたぁ。可愛くないですからー」
「ムーミンのミーみたいで可愛いのに」
「ミーは可愛いけど...。ってゆーか、智くんの方が可愛いですよ」
「そうなの？おれが？」

どこが？って本気で不思議そうにしてる彼と一緒に家を出る。
玄関の横にはカブ子。
クリーム色のボディは、翔さんがマメに洗車してるらしくピカピカ。
お尻の側面に『カブ子』って描いたステッカー。智くんが作ったらしい。

「ホームセンター、近いんですか？」
「うん、歩いて10分位かなー」

私がまだ行った事の無い方向へ歩いて、当たり前だけど初めて見るお店ばっかりでワクワクする。

「あ！パン屋さん！」
「あのお店のパン、みんな好きだよ。お婆ちゃんが看板娘なの」
「お花屋さんもある！」
「あそこの店長さん、何だか有名な王子様系男子らしいよ」

私が指差すお店を、智くんが詳しく解説してくれる。
楽しい。

着いたホームセンターは広くて、私一人だときっとペンキ売り場に辿り着くのも一苦労だったかもしれない。
そんな中で智くんはサラーっとペンキ売り場に辿り着き、早速物色してる。

「一色塗りかぁ...イメージ通りの色が無いなぁ...」

ピンク色のペンキを手に取った彼は「これに白と少しだけグレーも混ぜよっか」って私を見た。

「あー...よく分かんないから智くんに任せます！」
「えー？雑貨屋さんで働いてるなら色のセンスはあるでしょ？」

笑った智くんが、私にピンクのペンキを渡して白とグレーを棚から取った。

「さ、帰って夕方までに塗っちゃおう！」
「はい！」

私達は三つのペンキと、お昼ご飯にってさっきのパン屋さんに寄ってパンを買って帰った。