酒蒸し饅頭 ページ29
弓弦side
今日はAが、坊っちゃまに誘われてお屋敷に泊まりに来られる日です。
坊っちゃまと先にお帰りになられたはずですが、わたくしがお仕事でお屋敷に戻るのが遅くなってしまいました。
「Aならもう部屋に戻ったよ。さっきまで酒蒸し饅頭食べてたんだけど、なんかフラフラしてたからさ」
「左様でございしましたか」
体調を崩されているのなら心配ですね。
「A、お身体の具合はどうですか？」
部屋に様子を見に行くと、Aはベッドにうつ伏せに寝転がっていました。
「A、そのままでは危険なので一度起きてください」
Aはむっくりと起き上がると目をぱちぱちさせてこちらをじっと見つめられた。
「ゆづるくん？」
「はい、弓弦でございます」
「ゆづるくん」
「はい、いかがいたしましたか？」
「ここ座って」
言われるままベッドに腰掛けると、Aはパッと手を広げられた。
「ぎゅってしよ」
「はい？」
「ぎゅうしよ！いやなの？？」
突然の要望に驚いてしまった。
まさか抱きついてほしいとは…。
まあ、恋人のかわいらしいお願いですしこのまま聞きますが。
「かしこまりました」
そう言ってそっと細身を抱き締めればAは嬉しそうに笑いながらわたくしの膝の上に乗ってこられました。
そこでようやく、微かに香るアルコールの匂いに気づき、思わず眉が寄ってしまう。
そういえば、酒蒸し饅頭を食べたと言っておられましたね。
「お饅頭はおいつくおたべになられたのですか？」
「５つ！！」
まあ、本当によく食べるお方だ。
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宝(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます！弓弦お好きなの嬉しいです〜(*^^*)おもしろいと言ってくださってありがとうございます！応援もありがとうございます！最後まで走りきります (7月5日 20時) (
レス) id: 2151f87f60 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 弓弦の夢小説少ないので嬉しいです(;_;)すごく面白いです応援してます！ (7月4日 23時) (レス) id: cb84109612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宝 | 作成日時：2023年7月3日 19時
