映画館２ ページ28
「失礼いたしました」
「いやいやいや…」
外に出て頭を下げてきた弓弦くんに首を横に振る。
「Aが手を握ろうと何度も試みてくださったのはとても嬉しかったのですが、なにぶん写真に撮られたり目撃されたりする可能性があったので応じられず。
どうにかして応えられないかと思いまして。映画館なら皆さま映画に夢中ですし、手を握ってもあまりバレないかと」
弓弦くんわたしのために考えてくれたの？
嬉しい…。
「急に手を握られては迷惑だったでしょうか。確認するタイミングを逃してしまって」
「む、むしろ！」
「はい」
「むしろ、何も言わずにしてくれたことが嬉しかった。素敵なサプライズでドキドキしました」
わたしの言葉に弓弦くんは一瞬きょとんとしていたけれど、すぐに眉を下げて笑った。
ま、またその顔。憐れまれるようなことはしていませんけど。
「それならよろしゅうございました。勇気を出した甲斐がありましたね」
そうか、弓弦くんだって手を繋ぐのには勇気がいるよね。わたしと同じだ。
「また2人きりの時にでしたら、いつでも手を繋ぎますので、その時はおっしゃってくださいね。まあ、言われずともサプライズ？いたしますけど」
「ありがとう」
またしてくれるんだ。嬉しい。
「ああ、本日の分をまだ言っておりませんでしたね。愛しておりますよ、A」
耳元でそう囁いて、わたしの顔が真っ赤になったのを見た弓弦くんはクスクスと笑った。
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宝(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます！弓弦お好きなの嬉しいです〜(*^^*)おもしろいと言ってくださってありがとうございます！応援もありがとうございます！最後まで走りきります (7月5日 20時) (
レス) id: 2151f87f60 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 弓弦の夢小説少ないので嬉しいです(;_;)すごく面白いです応援してます！ (7月4日 23時) (レス) id: cb84109612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宝 | 作成日時：2023年7月3日 19時
