【鬼灯の冷徹】第二補佐官は狂っている。

狂想４ ページ5

きっと、友人や周りの獄卒に私の悪口を言うんだろう。



でも、まぁ。



貴「関係無いですね」



濡れた足と擦れた手の甲を邪魔に感じながら、私はまた閻魔殿に戻った。



貴「２度目のただいま帰りましたー」


鬼「あぁ、丁度いいところに来ましたね」


貴「わぁ嫌な予感」



にっこり笑う私に、依然として無表情の鬼灯様がポン、とメモを渡してきた。



鬼「ちょっと白豚のところまで行ってこの薬を買って来て下さい。領収書貰って来て下さいね」


貴「えぇ、給食当番さんの処ですか？私あの人苦手なんですよねぇ」


鬼「私の仕事量減らしてくれるんじゃなかったんですか」


貴「………行ってきまーす」



渋々とメモを懐に入れ、背を向けようとした時。パシリと鬼灯様に腕を掴まれた。



貴「……？どうしたんです？」


鬼「…何ですか、この傷」



手の甲の擦り傷を見て、眉間に皺を寄せる鬼灯様。少し血が滲んでいるが、大した事は無い。



貴「ちょっと地面殴ったらこうなりました」


鬼「地面を殴るまでの経緯を説明なさい」


貴「え、嫌ですけど」



ギリ、と腕を掴む手に力が込められる。痛いです。



貴「獄卒にゴマスリされてムカついたので地面殴っちゃいました」


鬼「……チッ」



露骨に舌打ちをした後、鬼灯様はパッと手を離した。



鬼「…ほら、絆創膏」


貴「え、大丈夫ですよ。すぐに治ります」


鬼「女性なんだから傷にも気を配るべきです」



そう言って、ベタリ、荒い手付きで絆創膏を貼り付けられた。痛いです。



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