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エメラルドの炎を通り、石のアーチをくぐり抜け──今目の前にあるのはオリバンダーの店だ。
ドアを押すと、一昨年に見たあの埃っぽい内装が目に入った。チリンチリンとドアについた鈴が鳴り、音を聞きつけたのだろう、オリバンダーさんが奥から出てきた。
相変わらずの白い髪と、
「おや、いらっしゃい。レイ・リドル嬢とオルブライトの皆さん」
……彼の視線は、私の苦手な、人を見透かすようなものだった。２年前もその前の時も気付かなかったけれど、この人はどこか不気味で少し怖い。それに気付くようになったのは私の成長なのかな。
「今回は誰ですかな？ オルブライトにはもう下の子はおらんと思っていましたが──」
「私です」
真っ向からその視線を見返した。オリバンダーさんはふむ、と頷くや否や、また奥の方へ引っ込んで行った。
少し離れたところからくぐもった声が聞こえてくる。
「あなたの杖選びは特に慎重にせなばならんのでな。あなたは、どんな杖にでも選ばれる可能性がある。きっと、そうなっておる」
少ししてから、彼は一つの箱を抱えてやって来た。
燻んだピンクベージュの箱を開けると、中には少しの装飾が施された焦げ茶色の杖が入っていた。
「モミの木にユニコーンの尾羽、３２センチと前の杖よりも長い。柔軟だが少々癖がある。しかし、あなたなら大丈夫でしょう」
そう言って渡された杖を手に持つと懐かしい感覚を感じた。目が杖に惹きつけられて離せない。じんわりと温もった指先から、何かが溢れ出したような気がした。光が私の周りに溢れて風が巻き起こって──これが私の杖だとそう思った。
「やはり一本目で決まりましたな」
ぼぅっとする頭でお金を払い店を出た。昼寝後の微睡みのような心地いい空白。
「レイ、一本目で決まったね。前もそうだったんでしょ？」
リョウちゃんが興味津々に私の手の中の杖を覗き込む。ようやく覚醒し出した頭で答える。
「うん、そうだよ」
「何故かしらねぇ。セシリアもなのよ？」
エイミーさんが不思議そうに首を傾げた。何故かは私にもわからない。けど、この杖は私の杖で前の杖も私の杖で、どちらも私の杖なのだから。過程がどうであれ大切にしようと手の中の杖をぎゅっと握った。
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ミア(プロフ) - ぱんださん» よかったです！！大好きな作品なのですごく安心しました、、これからも応援しています！！ (2019年3月12日 21時) (
レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ(プロフ) - ミアさん» 消しませんよ！ 私も、好きな作品が消えてしまう度に悲しかったので……。そう言って頂きありがとうございます！！ 嬉しいです……！！ (2019年3月12日 16時) (レス) id: a4436e9ee1 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - こちらの作品、消したりしてしまうでしょうか？できたら消さないでほしいです、、、 (2019年3月12日 0時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱんだ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/panda513261/
作成日時：2017年8月6日 0時
