革命マーズクラブ「一」

夕暮れフリータイム6　最低な悲劇 ページ39

屋上に着き、柵に身を乗り出す。

見渡すと、小さな空き地に風季の姿が見えた。

…良かった…
無事で…っ

ルミ「風…ーッ」

風季の名前を呼ぼうとした瞬間ー

パァンッ!!

ー乾いた銃声が、辺りに鳴り響いた

パァン…ッ!!

再び銃弾が放たれる

二つの弾は、一切の迷いも無く、真っ直ぐに風季へと向かってゆく

まるで、スローモーションの映像を見ているかのような…感覚

風季を貫く銃弾…

その瞬間、弾き飛ぶように広がる、血の飛沫。

地面に吸い込まれてゆく風季。

横たわった時に流れた…紅い、紅い深紅に染まった血が…風季の身体に沿って広がる。

い…や…
嫌…っ
嫌…ッ!!
嫌だぁあ!!!!

ルミ「ー…季…ッ!!風季ぃぃい!!」

いつも、どんな時にも私の傍に寄り添い、励まし、微笑み掛けてくれた…あの笑顔…優しさ、温もり…

楽しく笑い合った日々

挫けそうになったときだって、その強く、たくましい心で乗り越えていた。

…その強く、優しかった風季は…今、力なく横たわっている。
あの笑顔は一切ない…

どうして？
何でなの？
何でッ…何で罪もない人間が…見ず知らずのクソったれな人間に…殺されないといけなかったの!?

理解できない…!
理解したくない…ッ!!

私の一番身近な人であり、一番信頼でき、唯一の…ッー……だったのに…ッ

だったら私も消える…!!
あなたと一緒に……ッ…!!!!

柵に手を掛ける…
…しかし、そんなことなんて、叶わなかった。

アルリ「ルミっち!!ダメだよ…ッ!!そんなことしたら……!!」

タエ「絶対ダメ!!気持ちは痛いくらい解る…ッ!!でもぉ…っそんなことっ…風季が望むはず…ッないからぁあ!!!」

二人とも、必死に私を止めようとする。
私は、柵から降りた。

ハレン「…ルミ殿…これを」

ハレンが私に渡したのは、血が滲んだ…小さな紙袋だった…
紙袋は…風季から私への、最後の贈り物…

“誕生日おめでと!!ルミっ”
風季より

ルミ「うぐ…ッ…あ…ぁぁぁぁぁあ…ッ!!風季ぃ…ッ!!どうして……!!止めてよぉお!!…風季がいなくなっちゃうなんて…ッ…私…!!」

私は、思い切り泣いた。
涙で顔がぐしゃぐしゃになるのも気にせずに。

　*

しばらくその場で泣いた後、ふと、風季が撃たれた…あの場所に目がいった。
…しかし、そこには風季の姿はなく、生々しい、真っ赤な血液しか残っていなかったー

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