I want Kiss from you.【あんスタ】

Kiss to Eyelid from LEO ページ8

Kiss to Eyelid from LEO
【月永レオ】

------



「A、ちょっと手伝って」




「A〜これ教えてよ」




次から次へと声をかけられるあいつ。あいつは困ったように、嬉しそうに微笑みながらそいつらの話を聞いている。

器用で人当たりも良いあいつは人気者だ。しかも、顔が整っているためモテる。



誰もがあいつ自身を求めてる。



おれもそうだ。







「なあ、A」



おれはあいつの名前を呼んだ。あいつは長くて綺麗な髪を揺らし、おれの方へと振り向いた。




「どうしたの？月永くん」


少し首を傾げながら聞く。




「ん〜やっぱ、なんでもない！」




ただ、話したかった。
ただ、お前の瞳におれを写してほしかった。

ただそれだけ。

あいつは一瞬ぽかんとした表情をしたが、くすくすと可笑しそうに笑う。


｢なんだそれ｣


あいつのその表情を見てきゅうと心臓が締め付けられる感じがした。


｢なあ、｣


｢A｣

おれの言葉を遮るように教室のドアからあいつの名前を呼ぶ声。あいつはおれから視線を外し、先程名前を呼んだそいつのほうに視線を移した。



ああ、また。まただ……
あいつを求める声。あいつ自身を求める声。

先程と違う心臓を締め付ける感じ。



おれから離れようとするあいつの腕を掴む。あいつは驚いたようにおれのほうを見た。


｢月永くん……？｣


｢……A｣


あいつの腕を左手で引っ張り、体を引き寄せる。そして、右手を頬に当てた。

徐々に徐々に顔を近づける。


｢……っ｣



息を呑む音。微かに震えている手。ぎゅっと閉ざされた目。

ごめんな。怖がらせる気はなかったんだ。おれはそんな意味を込め右手で優しく頭を撫でる。











そして_____



Aのまぶたに一つ、キスを落としたのだ。









おれはお前が好きだ(おれはお前が羨ましい)









【まぶたへのキス:憧憬】

−曲じゃなくておれ自身を−






.

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している


←Kiss to Lower back from KANATA

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す