(仮) forth (ページ31)

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何なんだろう、この人。

確かに意地悪？悪戯？されて腹が立ったはずなのに、こうやってしおらしく歩み寄ってこられると何故だが強く突っぱねられない。許したくなる。

イタズラを怒られた後の子犬みたいに見えて、胸がきゅぅってなる。

「…音楽かけるなら、先に言ってほしかったです」

「うん。そーだよね。ごめんね」

「音も、もっと小さくていいです」

「うん。分かった。あとは？」

「…邦楽だと歌詞聞いちゃうから、洋楽がいいです」

「洋楽ね、りょーかい」

「出来れば眠くならない系で、やる気が出るやつがいいです」
　

「ふふっ難しいな(笑)」

「…あと…大っきな声出して、すみませんでした」

「Aさんは悪くないでしょ？(笑)」

クフフって笑う二宮さんは、珍しく柔らかい雰囲気で素直。だからかな？強く当たれない。本当にズルい人。

「ホント仲良いね、2人(笑)」

向かいから飛んできた笑いを含んだ声。やっぱり反射的に肩が跳ねる。

「ニノが智君以外にそんなイタズラ仕掛けるのも珍しいんじゃない？」

「そーかな？ …まぁ、確かに潤君にはしないかな…ぶん殴られちゃうもん(笑)」

「俺も松潤には出来ないわ、流石に(笑)」
　

「神聖不可侵の領域だからね、彼は」

「確かに(笑)」

豪快に笑う先輩とご機嫌に笑う二宮さん。

私に話が振られそうになったのを、自然に松本さんの話にすり替えてくれた。そんな事が誰の目にも違和感なく出来る二宮さん。本当に頭が良いんだと思う。