1次試験 5 ページ17
特別、意味など無かった
あれから数十分、隣に並んで走る彼は、今は上半身裸で汗だくのまま走っている
荒い息遣いと歪んだ顔でなりふり構わずいる彼は、一見滑稽に思えた
だが、それほど必死なのだ
レオリオがハンター試験を受ける理由は、金を手に入れるためだと言っていた
きっと、彼の目的はそんな浅はかな理由じゃない
もっと、他に強い思いがあるからだ
彼を知りたい
唐突に思ったその考えはクラピカの中でむくむくと大きく膨れあがった
なのに、答えてはくれない
はぐらかされた
だから、
「緋の目。
それが、私達が襲われた理由だ」
.
勢いよく通り過ぎていったゴン達の後ろ姿を見て幼い頃の親友と自分をふと、思い出した
何も無い町
生きるために、駆け回った日々
それでも、楽しかった
皆で助け合いながら、生きていた
贅沢はできなくても、笑い声が絶えない日は無かった
あの頃は金が無くても幸せだと思っていた
なのに、
「金がありゃ、オレの友達は死ななかった！！」
世の中は金だ
金がありゃ、あいつは助かった
今だって、覚えてる
オレ達じゃ到底払えない金額を押し付けてきたあの医者を
あいつをゴミくずを見るような目で見捨てた顔を
悔しかった
悔しくて、惨めだった
だから、オレは医者になってやる
金なんか必要ないって、あのとき言って欲しかった言葉で、誰でも救ってやるんだ
なのに、
「医者になるためには、更に見たこともない大金がいるそうだ！！」
オレはハンターになってやる
誰よりも大量の金を手に入れるために
胸の内を全て吐露すると、クラピカは満足げな顔をした
…
こいつのこういう所がいけ好かない
好意的に感じた人間を全て良い奴にしたてあげる所が
こんな甘っちょろい奴が復讐なんて、できる訳が無い
しかも、相手は史上最悪の盗賊、幻影旅団
こんなの死ににいくようなもんだ
例え、復讐を果たしたとしても……
生きにくくなるだけだぞ
今は口に出せない言葉を苦しい息と飲み込んだ
クラピカにとって精一杯の生き方を否定することなんて出来ないから
なぁ、オレはお前に何をしてやれる？
光が見えた
地下通路は終わりを告げる
「後、少しだ」
そう言って、いつの間にか見慣れたクラピカの笑みがレオリオの瞳に映る
その笑顔に答えると、レオリオとクラピカは階段を駆け上った
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純花 - 頑張って下さい！ (2019年10月5日 10時) (
レス) id: d5c5fac556 (このIDを非表示/違反報告)
柊 ニイナ - 久しぶりに更新をしてみたら、なんということでしょう、星が黄色になっていました。評価して下さった方、お気に入り登録して下さった方、小説を読んで下さってる方、本当にありがとうございます。気まぐれな作者ですが、これからもよろしくお願いします。(o´ω｀o) (2015年8月20日 0時) (レス) id: 00fd6c485f (このIDを非表示/違反報告)
◇ライト◇(プロフ) - 柊 ニイナさん» はい！楽しみにしてます(*´∀｀) (2015年3月6日 23時) (レス) id: 27e7b74444 (このIDを非表示/違反報告)
柊 ニイナ - ◇ライト◇さん» ◇ライト◇さん、ありがとうございます。学生の敵（テスト）をやっと倒せたので、これからは更新率増やしていけるよう頑張りたいと思います。 (2015年3月6日 5時) (レス) id: dfd590a73e (このIDを非表示/違反報告)
◇ライト◇(プロフ) - すごく続きが気になります！更新頑張ってください！！ (2015年3月5日 1時) (レス) id: 27e7b74444 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 ニイナ | 作成日時：2014年12月10日 22時
