彼女はもともとⅢ (ページ9)

今日:3 hit、昨日:13 hit、合計:14,241 hit

キラキラページ9

縛られていた手が痛い。

殴られて、ぐちゃぐちゃになった気がするお腹が痛い。

でも、それが私への躾であり、兄弟に捕まらないように気を張っていなかった私のせいでもある。

捕われて兄弟を愛してると強要させられる。
洗脳目的で拷問に近い暴力を受けた肉体・精神両面からの苦痛で、何も悪いことしていないのにひたすら謝っていた。

口が避けても愛してるとは言いたくなかった。

食事光景を見られるのはとても恥ずかしい。
兄弟に食べさせられる様子をじっと見ているあなたは何を思っているのだろう。

異常？それとも哀れみ？

「ごちそうさまでした、ね？テウ」

『……』

突っ込まれた食事に吐き気を催す。
でも飲み込まないと、飲み飲まないと

ごくん。

両手をカミラの方に差し出すと黙って抱きしめ部屋に戻っていく。

気持ち悪い。涙が出てくる。

早く慣れてしまわないと。とトイレで全てを戻した。
自分の喉元のぐるぐるはトイレの食事と一緒には出てきてくれなかった。

そんなことをしているから、いつまでも成長しないのかもしれない。
甘ったるい香りが、自分の思考力を鈍らせていく。

私はナイフを片手に布団に丸まって眠るんだ。

“これは、仲間が托してくれたんだ。
俺のナイフはこっち。”

“これは、俺の相棒だ。”

勝手に取ってきたのは悪いことだと思う。
悪いことだと思うけど、勇気が欲しかったの。

人を殺せる、勇気を。

猛毒薬では周りに被害が及ぶだろう。
入れた所で毒味をするのはお世話係の人の役目だから。

あの時みたいに、うまく行く自身が無い。

それに、母の猛毒は、私がもしものために飲むの。

ペティナイフでできたから、彼のグルカナイフでもできるはず。

私の持っている母の私物の十字架は
猛毒によってキラキラと輝いて、私の肌を赤く焼いていく。
水ぶくれのようにひどい火傷を周りは嫌ったけれども。

それでも十字架は離さない。

ナイフを片手にすやすや眠るんだ。

部屋のキラキラが、私をあやすガラガラで

幼児退行する脳の端では、何が原因か理解していた。

頭の端でこれから起こる事も、彼らの計画も。

何もかもを理解していた。

鍵を閉めた。

冥土さんとカミラは隣の別室にいるから
何かあったときは直ぐに彼らを呼べるようにした。

彼のナイフはカバーを外して、いつでもさせるようにしっかりと握った。

いつでも抵抗できるように、もしかしたらに期待して、小さくまるまって眠る。

明日の朝日が見れますように。と、
全く対して信じていない神に祈りを捧げた。