警視庁捜査第八課の新米刑事ちゃんの名推理。 【 黒バス 】

▼　噂2 ページ19

宮地 side



これには、全員驚いて目を見開いた。



けどすぐに、話を聞き始めた。






『…俺には家族が居ました。
大切な、大切なたった一つの家族。

でも家族を失いました。大切な家族を。
火事で、死にました。皆、皆。
泊まってた旅館で、火事に遭って。死にました。



俺だけ助かりました。たった一人。
勿論、最初は殺意とか持ってなかったんです。本当に。

でも聞いちゃったんです。ある日。



"あの時、あの家族を見捨てたからこそ私たちの命があるのよねぇ"

"ほんと。残念よねー。あっけなく死んじゃって!"




その旅館の女将さんが、俺の家族を殺したんです。見殺しに。
許せなかったんです。俺。




まさか自分がドラマみたいな事をされると思ってなかったから。びっくり。





だから燃やしました。家を。
俺の苦しみを味わえばいいと思ったんです。皆。






でも、そこで踏みとどまってたら。こんなことにはならなかった。
止まれなくなったんです。




女将さんだけじゃない。皆、皆。
俺の苦しみを知ってほしいと思ってしまったんです。もっと。









俺は、罪のない人を死なせてしまいました。ごめんなさい。
謝って済むことじゃないのは知ってるんです。俺も。





でも後悔してます。本当です』









そいつは、まだ未成年だったこともあって少年院行きになった。









これで、事件は終わった。
…そう思ってたんだよ、俺等も。









宮地『じ…さつ……?』






少年院からの連絡を受けて、急いでソイツの部屋へ向かった。





部屋の真っ白な壁にはマジックか何かで書いた"ありがとう、おまわりさん"の文字。







そして部屋の中央には、紐で首をくくったソイツ。









警視庁では、すぐにこの事が広まり





八課は"少年を自サツに追い込んだ"というレッテルが貼られた。









あることないこと、噂された。





これは、あくまでも俺達"二代目"の話。

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